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『メリー・ポピンズ リターンズ』監督らが製作秘話を明かす

『メリー・ポピンズ』の大ファンだというロブ・マーシャル監督
『メリー・ポピンズ』の大ファンだというロブ・マーシャル監督

 アカデミー賞5部門を受賞した不朽の名作『メリー・ポピンズ』の待望の続編『メリー・ポピンズ リターンズ』(2019年2月1日 日本公開)について、ロブ・マーシャル監督、共同脚本家デヴィッド・マギー、編集者のワイアット・スミス、プロダクション・デザイナーのジョン・マイヤー、キャスティング・ディレクターのバーナード・ケルシーが、12月20日(現地時間)、ニューヨークのDGAシアターでの特別試写後Q&Aで語った。

【動画】『メリー・ポピンズ リターンズ』予告編

 舞台は前作から約20年後の大恐慌時代のロンドン。バンクス家のジェーン(エミリー・モーティマー)とマイケル(ベン・ウィショー)は大人になり、マイケルは父や祖父が勤めたロンドンの銀行で働いていた。3人の子供を抱えるマイケルは、妻が他界し、不況で家を失う危機に追い込まれるが、メリー・ポピンズ(エミリー・ブラント)が以前と変わらぬ姿で家族の前に現れる。

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 オリジナル映画は4歳のときに人生で初めて鑑賞した思い入れのある映画だというマーシャル監督は、今作を通して「希望」というメッセージを世に送りたかったという。「映画の冒頭は、暗がりに明かりがともされたガス燈から始まり、そしてメリー・ポピンズがこの大恐慌後の世界に光をともしにやってくる。僕ら製作陣は、舞台をあえて大恐慌時代に設定し、あの時代が現代にも反映しているように描きたかったんだ。おそらく、あの大恐慌時代の感覚は今でも誰もが持っていると思う。家族を持ち、苦悩しながらもなんとか自宅を手放さないようにすることは、誰もが理解できると思うからだ。僕らが、(今作を通して)新たな道を切り開きながら、さらにオリジナル作品に敬意を表して描いたことは、僕ら製作陣には意味があることだったんだ」

デヴィッド・マギー
共同脚本家のデヴィッド・マギー

 脚本家のデヴィッドは今作の構成について「製作陣のほとんどがオリジナル作品を観て育ち、あの映画を通して将来何でも可能なような夢を抱くが、時が過ぎて問題に直面し、夢を抱いていたことさえ忘れることもあるのが現実だ。僕はそんなことを考えながら、今作のアイデアを考えていたとき、オリジナル映画でバンクス家を助けたのに、なぜまたメリー・ポピンズが戻ってくる必要があったのかを考えてみたんだ。P・L・トラヴァースの原作の最初のページを読んでみると、バンクス家の自宅は小さな家と記されていて、オリジナル映画とは少々違っていることがわかった。原作は大恐慌時代に書かれたけれど、オリジナル映画は20世紀初頭の設定だったから、バンクス家の子供たちが成長して大人になった設定にすることを決めたんだ」と説明した。原作に回帰したことで、新たなストーリーを構成できたようだ。

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ワイアット・スミス
編集者のワイアット・スミス

 編集者のワイアットは「編集者はストーリーのペースを考えながら編集していくが、今作のストーリーはすでに見事に構成されていたんだ。だから、いつもならミュージカル・シークエンスを映画内のペースに合わせて編集を進めていくが、今作ではアニメのシークエンスやドラマのシークエンスなどさまざまあったものの、無理やりにシークエンスとシークエンスをつなげている感覚はなかったね。編集現場に立ち会ったマーシャル監督と共に、俳優の(歌や演技の)パフォーマンスに集中して編集していたよ」と振り返った。

ジョン・マイヤー
プロダクション・デザイナーのジョン・マイヤー

 プロダクション・デザイナーのジョンは、メリル・ストリープの登場シーンについて「脚本でトプシー役にメリルが挑戦し、彼女の部屋が逆さまという設定を読んだときに、これは面白いアイデアだと思ったね。ロブとはすでにタッグを組んだことがあったから、彼がこの部屋をグリーンスクリーンで手掛けるはずもなく、実際に逆さまの部屋を僕にデザインさせると思ったしね。だから、どんな物が天井にぶらさがっていて、どんなものが床にあって、その床にあるものが(俳優たちの)ダンス・シークエンスに使えるかなどを考えていったんだ。そして実際に撮影するまで、その部屋のセットデザインを出演した子役たちにはあえて見せずに、彼らの驚くリアクションをカメラに収めたんだ」と明かした。

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バーナード・ケルシー
キャスティング・ディレクターのバーナード・ケルシー

 キャスティング・ディレクターのバーナードは、ベンのキャスティングについて「僕が手掛けた舞台に彼が出演したことがあって、彼のことは知っていたし、彼と僕とロブが会合した際に、ベンは『僕が俳優になったのは、『メリー・ポピンズ』のおかげなんだ』と語ってくれたんだ」と一気に決断したことを明かした。また、子役については949人からあの3人を選んだそうだが、最終的には撮影の合間にちゃんと製作陣の話に聞く耳を持つことのできる子役に決めたと説明した。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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