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表現者・松田美由紀、引退も考えたゼロからの挑戦

松田美由紀と聖児セミョーノフ
松田美由紀と聖児セミョーノフ

 女優のみならず、監督、写真家、執筆家、オフィス作の代表取締役、そして日本の芸能界で活躍する3人の子供達を育て上げた母、というさまざまな顔を持つ松田美由紀が、シャンソニエの聖児セミョーノフとコラボして“S et M(エス・エ・エム)”という新たなアートプロジェクトに挑む。50代でなお新しいことに挑み続ける理由を松田が語った。

 出演作の『2つ目の窓』がカンヌ国際映画祭で高い評価を受けた松田の女優としての活躍ぶりは、周りから見れば華やかに見えることだろう。だが、現実には、大きな苦しみを抱えていた。松田は当時の辛さを「体調が最近実はとても悪かったんです。気管支ぜんそくやらなにやら……10年後まで女優を続けられる自信がなくなっていたんです。女優としても、やっぱり若い子たちがメインを張る作品の中でまるでお漬物のような役柄ばかりになっていくし(笑)、どんなに表現活動をしたくても場所がなかったりする。正直もう引退してもいいかなって思っていたんです」と振り返る。

 そんな時に「美由紀さん、一緒に表現活動をしましょう」と声をかけたのが国内外問わず活躍をするシャンソニエの聖児だった。聖児は「美由紀さんのお芝居を見に行ったのですが、彼女が出てきた瞬間に空気がガラッと変わるんです。それだけ天性の才能を持っているにもかかわらず、当時の美由紀さんは全てを捨てようとしていて。僕は才能は人々のために使わないと滅びると思っているので、本気で声をかけ続けました」と話す。

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 二人で始めたプロジェクトには、映画監督の林海象やミュージシャンのASA-CHANGが参加して作品創りが進んでいる。「全部、自分たちでやっています。初めての事だったんですが、今回の脚本は全て私が書いて、映画監督の林海象監督に映像を撮って欲しい! と思いついて私がその場で電話をしてオファーしました(笑)。映像を撮っているときも、スタッフのご飯は全部私が手作り。プロダクションにかかる費用も手弁当でやっているんです。聖児くんは制作まわりを頑張ってもらってます!」と話す松田は実に楽しそうだ。

 人は歳を取れば取るほど、肉体的にも精神的にも挑戦することが怖くなってくるものだが、なぜこんなにも楽しそうに新しいことを見つけ、そして挑むことができるのだろう。松田は、「だって何もしてないのなんて退屈じゃない?  聖児くんのような才能溢れる仲間やスタッフと話をしながら新しいものをクリエイトしていく過程がとにかく楽しいんです。今回の舞台は、シャンソンを土台とした音楽劇かなぁ、たぶんやってる人は少ないのかも。お客さんがどんな反応をするか考えただけでワクワクだよね。女優として、確かに自分の年齢を意識することにはなったけれど、今だからできることを精一杯やるのは疲れるけど楽しいんです」と笑顔を見せる。そのエネルギーにいつも背中を押されているという聖児もまた、「美由紀さんの持っているパワーには本当に圧倒されます。今はリハーサルをしているんですが、僕も俳優として初めての挑戦です!本当に美由紀さんのアイディアには毎回驚かされてばかり。本番が楽しみですね」と話す。

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 どん底から這いだし、楽しみながら仲間とともにゼロからのプロジェクトに挑戦している松田と、聖児によるコラボレーションプロジェクト“S et M(エス・エ・エム)”はこれからどんなショーを作ってくれるのか?「 シネマティック・ライブ・ショー 愛とは花のように育てなければならないもの」は今週末に開催される。人生を思い切り楽しむ松田が聖児とともに手がける新たなアートプロジェクトに期待したい。

「シネマティック・ライブ・ショー 愛とは花のように育てなければならないもの」は、4月19日、20日に渋谷ユーロライブ、6月1日に神戸アートビレッジセンター KAVCホールにて上演

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