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配信作品の『ROMA/ローマ』が国際映画批評家連盟賞グランプリに

『ROMA/ローマ』の撮影現場でクレオ役のヤリッツァ・アパリシオに演出するアルフォンソ・キュアロン監督
『ROMA/ローマ』の撮影現場でクレオ役のヤリッツァ・アパリシオに演出するアルフォンソ・キュアロン監督 - (写真提供:サンセバスチャン国際映画祭)

 世界各国の映画批評家が選ぶ国際映画批評家連盟(FIPRESCI)賞の年間グランプリに、アルフォンソ・キュアロン監督『ROMA/ローマ』(2018)に決まった。スペイン・バスク地方で開催される第67回サンセバスチャン国際映画祭(現地時間9月20日~28日)のオープニング・セレモニーで授賞式が行われる。

 同賞はFIPRESCIに所属する世界各国の映画批評家の投票によって選ばれるもので、1999年に創設された。2018年7月1日以降に初上映された作品を対象とし、618人が投票に参加した。

アルフォンソ・キュアロン
アルフォンソ・キュアロン監督(写真提供:サンセバスチャン国際映画祭)

 最終投票で絞られたのは4作。今年のカンヌ国際映画祭パルムドール受賞のポン・ジュノ監督『パラサイト 半地下の家族』(2020年1月公開)、主演のアントニオ・バンデラスにカンヌ国際映画祭で男優賞をもたらしたペドロ・アルモドバル監督『ペイン・アンド・グローリー(英題) / Pain and Glory』、オリヴィア・コールマンが第91回アカデミー賞で主演女優賞に輝いたヨルゴス・ランティモス監督『女王陛下のお気に入り』と賞レースをにぎわせている秀作ぞろい。

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 最終投票で『ROMA/ローマ』に決定し、ベネチア国際映画祭金獅子賞受賞を皮切りに英国アカデミー賞で作品賞はじめ4冠に輝くなど、まさに世界中の賞を総ナメすることとなった。同作をめぐっては動画配信作品を映画祭や賞の対象にするか否かという論争も沸き起こし、いまだ火種はくすぶっているが、批判的な意見を圧倒的な品質で跳ね返す結果となっている。

 同賞にはこれまでペドロ・アルモドバル監督『オール・アバウト・マイ・マザー』(1998)、リチャード・リンクレイター監督『6才のボクが、大人になるまで。』(2014)、ジョージ・ミラー監督『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)などが受賞している。中でもポール・トーマス・アンダーソン監督は『マグノリア』(1999)、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007)、『ファントム・スレッド』(2017)と最多の3度の栄冠に輝いている。(取材・文:中山治美)

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