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中山美穂、松尾スズキのR18映画に躊躇なし!

中山美穂
中山美穂 - 写真:上野裕二

 「大人計画」を主宰し、劇作家、映画監督、俳優などマルチな才能を発揮する松尾スズキが、監督・脚本・主演を務めた映画『108~海馬五郎の復讐と冒険~』。本作で、女優の中山美穂が、嫉妬深い夫・五郎(松尾)を翻弄する元女優の妻・綾子を熱演。R18+指定の描写も含む作品ながら、松尾の才能にほれ込み出演を快諾した中山が、「撮影現場に『私情』を持ち込まないタイプなので、どんなシーンでも受け入れ、松尾監督の要望に全力で応えました」と女優としてのブレないスタンスを語った。

【動画】中山美穂のタトゥー姿も『108~海馬五郎の復讐と冒険~』予告編

 本作は、妻の浮気をSNSで知った夫が、妻の投稿についた108の「いいね!」の数だけ浮気をして逆襲するという奇妙な復讐に出る大人向けコメディー。中山が本作に出演するきっかけになったのは、ある共演ドラマ(NHK「平成細雪」2018年)の酒の席で、初めて松尾と交流したときのこと。「それまで全く面識がなかったのですが、映画の壮大な構想をうかがっているうちに、松尾ワールドにどんどん惹かれていく自分がいて」と笑顔を見せる。「脚本を読ませていただき、かなりぶっ飛んではいましたが、なぜか『絶対に面白い作品になる!』と確信したんです」という中山は、綾子役を快諾。「やると決めたら全く躊躇しなかったですね」とキッパリ。

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 アイドルとして一時代を築いたのち、「君の瞳に恋してる!」(1989)を皮切りにフジテレビの月9枠の常連となり、女優としても不動の人気を確立した中山。映画でも『Love Letter』(1995)でブルーリボン賞主演女優賞、『東京日和』(1997)で日本アカデミー優秀主演女優賞を受賞するなど実績を残し、近年は、映画『蝶の眠り』(2017)やテレビドラマ「黄昏流星群~人生折り返し、恋をした~」(2018・フジテレビ系)などで大人の色香漂う女性にふんし、新たな魅力を開花させてきた。

海馬五郎の復讐と冒険
映画『108~海馬五郎の復讐と冒険~』より。夫役の松尾スズキと、妻役の中山美穂(C) 2019「108~海馬五郎の復讐と冒険~」製作委員会

 それだけに、ここまで振り切ったコメディー映画は、今日まで培ってきた中山自身のイメージを損なうリスクが高く、そういった面でも覚悟が必要だと推測する。しかし、中山自身は「わたしに何か特定のイメージがあるとしたら、それが作品の邪魔にならなければ、という心配はありましたが……」と切り出し、イメージを壊すことの懸念を一蹴。「もともと、『こう見られたい』とか、『こう思われたい』という発想がないんですよね。どこを切り取っても、わたしというものが自然と出てくると思うので。ですから、映画の中では、そういう自我をできるだけなくしたいと思っていますし、どれだけフラットになれるか、どれだけその役になりきれるかといったことしか考えていないんです」

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 本作は、結婚を機に女優という表舞台から退いた綾子の老いへの不安や恐怖が物語の起点となっているが、これに対して中山は「わたし自身は老いていくことにネガティブな考えはなく、怖いという気持ちもありません。むしろ、歳を重ねることを楽しんで生きていきたいと思っているくらい。ですから、わたしがどれだけ綾子の気持ちに寄り添い、彼女の心情を表現できるか。それが一番大事なところだと思いました」と語る。

中山美穂
写真:上野裕二

 40代後半となった今も、ますます美貌に磨きをかけ輝き続ける中山。「女優としての欲はないですが、1つ願いがあるとすれば、(キャストの)年齢層の高い映画って、まだまだ少ないと思うんです。ですからもっと、大人の役者が出られるような映画がたくさん出てきたらうれしいですね。あとは監督をはじめ、いい出会いを大切にしていきたいです」

 松尾スズキ監督ならではのぶっ飛んだ世界観のなか、いまだかつてない表情をも見せる中山。本作はまさにその第一歩と言えるかもしれない。(取材・文:坂田正樹)

映画『108~海馬五郎の復讐と冒険~』は10月25日より全国公開

映画『108~海馬五郎の復讐と冒険~』予告編 » 動画の詳細
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