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ヒックとドラゴン監督、『AKIRA』から刺激

第32回東京国際映画祭

舞台あいさつに出席した中島かずき(左)とディーン・デュボア監督(右)
舞台あいさつに出席した中島かずき(左)とディーン・デュボア監督(右)

 第32回東京国際映画祭(開催中)でアニメーション映画『ヒックとドラゴン』シリーズ3作品が特別上映されることを受け、ディーン・デュボア監督が来日。30日に都内で行われた1作目の上映前舞台あいさつに出席し、特別ゲストとして駆けつけた脚本家の中島かずきと日本のアニメーションについてトークを展開した。

シリーズ第3弾『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』予告編【動画】

 『リロ&スティッチ』の監督コンビで知られるデュボアとクリス・サンダースが手がけた本作。バイキングとドラゴンの戦いが続く島を舞台に、平凡な少年ヒックとドラゴン・トゥースの友情を描き出す。これから映画を鑑賞する観客の前に立ったデュボア監督は、「ここに来られて光栄です。我々が冒険を始めた(第1作)『ヒックとドラゴン』のプロモーションで10年ほど前に来日しました。今回は、3作目が公開されるということで、この映画祭でプロモーションできるのが本当にうれしいです」とあいさつ。

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 デュボア監督が日本のアニメを知るきっかけは、10代の頃に観た『AKIRA』(1988)だったという。「アニメーションを勉強したいというインスピレーションを与えてくれた作品だったんです。そこから日本のアニメを知る中で、宮崎駿監督に出会い、世界観に感嘆するような気持ち、イノセンスを持ちながらも、美しくパワフルな物語をたくさん生み出す姿にインスピレーションを受けました。同時に、アニメーションというのは大人向けのテーマを持てるんだということも教えてくれました」と語る監督は、今敏監督のアニメーション映画『パプリカ』(2006)にも影響を受けたという。

 デュボア監督の話を聞いた中島は、「やっぱり『AKIRA』ってすごいんですね。実は今回の映画祭で上映されるんですよ」と切り出すと、監督は「ワオ!」と目を輝かせる。デュボア監督は「実は『AKIRA』は日本語版でしか観ていないので、内容は把握していないんです。でもビジュアルがイマジネーションをかき立ててくれる作品なんです」と笑顔を見せた。

 今月16日(現地時間)に映画芸術科学アカデミーが発表した、第92回アカデミー賞長編アニメ映画部門のエントリー作品には、中島が脚本を手がけた『プロメア』と、『ヒックとドラゴン』シリーズ第3弾『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』(12月20日公開)がノミネートされている。中島は、「集団に入れない少年が、欠けている部分があるドラゴンとコミュニケーションすることで成長し、周りも変えていく部分が丁寧にうまく描かれていて。とてもいいジュブナイル映画でした」と『ヒックとドラゴン』を絶賛し、「『プロメア』をやるときも、『ヒックとドラゴン』みたいなものをやりたいと思って始めたんですけど、出来た作品は似ても似つかないものになった。色々と参考になりました」と付け加えた。

 一方のデュボア監督も『プロメア』を鑑賞したといい、「アカデミー賞のエントリー、おめでとうございます。とても美しく、ワクワクさせられる作品でした。エントリーされるべくしてされた作品だと思います。日本のアニメはいろんな人にインスピレーションを与えてくれますが、そこに加わる名作だと思います」と称賛していた。(取材・文:壬生智裕)

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