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東京フィルメックス開幕 香港民主化デモの影響で審査員長が変更

左から映画祭ディレクター・市山尚三、審査員長トニー・レインズ、審査員の深田晃司、操上和美、サマル・イェスリャーモワ、ベーナズ・ジャファリ
左から映画祭ディレクター・市山尚三、審査員長トニー・レインズ、審査員の深田晃司、操上和美、サマル・イェスリャーモワ、ベーナズ・ジャファリ

 秋恒例のイベント、東京フィルメックスの第20回開会式が23日、メイン会場の東京・有楽町朝日ホールで開催。急きょコンペティション部門の審査員長を務めることになった映画批評家で映画祭プログラマーのトニー・レインズが「フィルメックスを助けたい、市山さんの頼みであれば喜んで、という思いで、今日ここに立っています」と挨拶した。映画祭ディレクター・市山尚三は、今年の審査員長を務める予定だった香港のシュウ・ケイ監督が同地区の民主化デモの影響で来日がかなわなくなり「一昨日のことですが、(トニー氏に)新たに審査員長をお引き受けいただいた」と急遽の交代劇があったことを報告した。

【写真】コンペに選ばれた仲野太賀&元乃木坂46の衛藤美彩主演の映画

 2000年にスタートした本映画祭は、アジア圏を中心にした新進作家の作品をいち早く紹介し、映画ファンの支持を集めている。開会式には3人のコンペ部門審査員も登壇し、カンヌ国際映画祭女優賞に輝いた女優のサマル・イェスリャーモワ、『ある女優の不在』の女優ベーナズ・ジャファリ、写真家の操上和美、『よこがお』などの深田晃司監督が集結した。

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 トニーは「第17回東京フィルメックス」(2016年)に続いて2度目の審査員長を担当する。「今朝、日本に着いたばかりなので、まだ時差ボケが大変なのですが」と笑いながら、「フィルメックスの審査員長というのは、一生に一度限りと思っていたので、また声がかかり驚いています。フィルメックスにとっても今年は激動の年になりました。チャレンジでそれを乗り越え、みなさんとここにこうしていることは本当に名誉なことです」と力強くコメント。東京フィルメックスでは、昨年、創立以来のスポンサーだったオフィス北野が映画事業から撤退し、木下グループの特別協賛を得たが1年で終了。今年、シマフィルム(本社・京都府舞鶴市)を新たなスポンサーに迎え再スタートとなった。

トニー・レインズ
審査員長を務めるトニー・レインズ

 トニーは「今年のコンペの作品は、とても力強い作品がそろっていますので、わたしたちにとっても非常に難しい審査になるのではないかと思います」と充実のラインナップをアピール。コンペ部門では、カンヌ映画祭批評家週間でクロージング上映されたグー・シャオガンの監督デビュー作『春江水暖』、『イロイロ ぬくもりの記憶』(2013)でカンヌ国際映画祭のカメラドール(新人賞)を受賞したアンソニー・チェン監督の『熱帯雨』、仲野太賀と元乃木坂46衛藤美彩が主演を務める『静かな雨』、『夜明け』の広瀬奈々子監督がブックデザインの第一人者・菊地信義を追ったドキュメンタリー『つつんで、ひらいて』など。韓国、中国、インド、カンボジア、シンガポール、フィリピンなどの全10作品が選出された。

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 また今年は、オープニング作品の『シャドウプレイ』と歴代受賞作人気投票で選出された『ふたりの人魚』が上映されるロウ・イエ監督、クロージング作品『カミング・ホーム・アゲイン』 のウェイン・ワン監督、特別招待部門『ヴィタリナ(仮題)』のペドロ・コスタ監督や、フィルメックス・クラシック『HHH:侯孝賢』のオリヴィエ・アサイヤス監督らがゲストとして来日し、それぞれQ&Aを行う。『鉄拳』、『ビリケン』などの阪本順治監督の特集上映も企画されており、『この世の外へ クラブ進駐軍』では阪本監督、オダギリジョーがQ&Aに登壇予定。(取材・文/岸田智)

「第20回東京フィルメックス」は12月1日まで東京・有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ日比谷ほかで開催

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