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「恋はつづくよどこまでも」なぜ佐藤健に落ちる人が続出したのか?

天堂先生~!
天堂先生~! - (C) TBS

 最終回の平均視聴率が15.4%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)を記録したTBS系ドラマ「恋はつづくよどこまでも」が、胸キュンシーンの詰まったスペシャルダイジェスト版として、14日22時より放送される。連ドラ放送終了後も、佐藤健の公式YouTubeチャンネルで行われたライブ配信に、ドラマで共演した上白石萌音が登場すると、再生回数は900万回(4月13日現在)を超えるなど、その熱は衰えていない。もちろん、佐藤演じるドS医師・天堂浬と、上白石扮する看護師・佐倉七瀬との“キュンキュン”する恋模様が作品をけん引していることは間違いないが、ダイジェスト版放送を前に、改めて俳優・佐藤健の魅力に迫ってみたい。

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 「恋はつづくよどこまでも」は、ある意味で少女漫画の王道のようなストーリー。七瀬は高校生のとき、お年寄りを助ける天堂に出会ってから看護師を目指し、何とか天堂の病院に務めることができた。しかし、憧れていた天堂は、毒舌&超ドSなドクターで、七瀬にも辛辣な言葉を浴びせ続ける「魔王」と呼ばれるような人だった。それでも、一途な思いをストレートに伝え続ける七瀬に、天堂も徐々に心を許していく……。

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 劇中では、上白石の明るく元気で健気、そして時折見せる弱気な姿など、王道の少女漫画ヒロインを熱演している。上白石といえば、初主演映画『舞妓はレディ』(2014)で見習い舞妓・春子をみずみずしく演じ、メガホンを取った周防正行監督をはじめ、キャストから一生懸命さを絶賛されるほど常に真摯に芝居に向き合う姿勢が高く評価されている女優だ。

 そんな上白石の一生懸命さは七瀬と非常にリンクするところがあり、ドラマが始まる前から適任というのは自明の理だったが、こうしたジャンルの物語の場合、そのヒロインを受ける相手役というのが非常に重要になってくる。このような少女漫画の王道を行く物語のキャラクターは、あまり現実離れしていてもヒロインが浮いてしまうが、少女漫画の醍醐味(だいごみ)であるキラキラ感は絶対ほしい。絶妙なバランスのうえに成り立つ難しい立ち位置の役を、佐藤は視聴者をキュンキュンさせつつ好演した。

 佐藤といえば「仮面ライダー電王」(2007)で連続ドラマ初主演を果たすと、一人でさまざまなキャラクターをこなす難役に挑み注目を浴びた。その後は、人気が右肩上がりであるにもかかわらず、出演過多にならないペースで、映画、ドラマで印象に残る役柄を演じている。大河ドラマ「龍馬伝」では人斬り以蔵こと岡田以蔵役でキャラクターの持つ心の闇を巧みに表現し、映画『るろうに剣心』シリーズでは、激しいアクションを見事にこなしてそのストイックなまでの演技への真剣な取り組みを見せつけた。また、ドラマ「天皇の料理番」では打って変わって繊細さと丁寧さが印象的な芝居を見せた。

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 そんな彼が20代後半で連続テレビ小説「半分、青い。」(2018)、ドラマ「義母と娘のブルース」(2018)と同一時期に連続ドラマ出演を果たすと、出演映画も立て続けに公開され、作品ラッシュが訪れた。特筆すべきは、演じるキャラクターに偏りがなく、作品ごとに違う顔を見せたこと。多岐に渡るキャラクターを演じる中で、共通しているのが、佐藤の持つ“溢れんばかりのスター性”というビジュアルを消し去るような芝居。このことで佐藤は演技派という印象を強く残した。

 特に、白石和彌監督作品の『ひとよ』(2019)では、子供を守るために夫を殺害した母に、複雑な感情を持つフリーライター・稲村雄二を演じた。自分でも抗えないほどにすさんだ心に覆われている男の、何ともいえない“臭い”を感じさせる佇まいは、本人の持つ“美しさ”からはかけ離れていた。

 スター然としたオーラを持つポテンシャルがありつつも、それを完全に消し去る芝居ができる演技力があるからこそ、これまで性格俳優的な役柄を見事に演じ分けていた。そんな佐藤が「恋はつづくよどこまでも」では、七瀬に対するつれない言動を繰り返す“ツン”とした行動の中に、ご褒美ともいえるような“デレ”を織り交ぜ、そのオーラを全開にダダ漏れさせたのだ。カメラワークを含め、過去の作品を見ていても、ここまで佐藤の美しいポテンシャルを見せつける作品はなかった。これまであまり佐藤を意識していなかった層にまで魅力は浸透し、ドラマを見て佐藤の公式LINEやライブ配信アプリSUGARに登録したという報告がSNSで多数見られた。

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恋はつづくよどこまでも
最強のツンデレ - (C) TBS

 初回9.9%から始まった視聴率は、途中そこまで劇的に上昇していったわけではないが、第7話の無料見逃し配信の再生回数では283万回(3月2日までのTBS FREE、GYAO!、TVerでの合計値)を記録し、それまで最高だった「逃げるは恥だが役に立つ」の最終回の記録を更新。さらに第8話では300万回を突破するなど、視聴率には表れない盛り上がりを見せるようになっていた。

 そんな熱狂の中で迎えた最終回では、開始早々から、朝食を作る七瀬を天堂がバックハグしてキスするシーンからスタート。そこからは“デレ”のオンパレード。この仲睦まじい二人の姿をリアルタイムで見たい人が多かったのか、視聴率は15.4%と過去最高を記録した。

 愛らしく健気な七瀬を視聴者の共感を呼ぶようなキャラクターに導いたのは、スターのオーラにプラスして、しっかりと地に足の着いた芝居ができる佐藤だからこそのなせる業だった。七瀬とのシーンは“ツン”と“デレ”でそのオーラを余すところなく見せつけていたが、患者を守る医者という部分では、ストイックでリアリティーある人物を確かな演技力で表現していた。

 この夏は、佐藤の代表作といっても過言ではない『るろうに剣心』シリーズがファイナルを迎える。「恋つづ」とはまったく違う佐藤の姿が、いまから楽しみでならない。(磯部正和)

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