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大林宣彦監督、あと三倍の映画の時間を…妻・恭子プロデューサー追悼

大林恭子プロデューサーと大林宣彦監督
大林恭子プロデューサーと大林宣彦監督

 10日に肺がんのため亡くなった映画作家・大林宣彦監督の妻で、株式会社PSC代表取締役を務める、映画プロデューサーの大林恭子氏が、14日に追悼コメントを発表した。

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 「この度、監督は、次回作のロケハンに出かけました」とつづった恭子氏は「私との63年間の日々は、文学と音楽と映画の日々。いつも監督の口癖は『眠るのは死んでから充分眠れるのだから眠るなんて勿体ない』と本当に眠りませんでした」と思い出を振り返った。

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 「今頃、ロケハンの途中の天国村で、黒澤明監督や本多猪四郎監督、立川談志さん、高畑勲監督、和田誠さんにお会いして、映画談義が尽きることなく、やっぱり眠っていないのではと思います」

 そのうえで恭子氏は「まだまだあふれる才能の持ち主、彼にあと三倍の映画の時間をあげたかった」と無念の思いも告白。大林作品のファン全てに「監督の『ありがとう』をお伝えしたく存じます」と感謝をつづると「今頃ロケハンで”未知なる道”を見つけてくれていることと思います」と故人をしのんだ。(編集部・入倉功一)

大林恭子氏のコメントは以下の通り

この度、監督は、次回作のロケハンに出かけました。連日連夜、映画の夢の中、撮影現場にいるらしい監督は元気な声で「ヨーイ、スタート。カット。オーケー。皆、お疲れさん、ありがとう」。毎晩その楽しそうな声に私は目を覚まし、「お疲れさま、ありがとう」と答えていました。数日前、真夜中に講演らしきお話をしていました。そんな中「岩井君、手塚君、犬童君、塚本君たちが映画をつないで平和な世の中に……」と、とぎれとぎれ聞こえてくる言葉、いつもと変わらない最後の言葉「ありがとう」。そして、監督が繰り返した「皆さん、ありがとう」を監督の遺言としてお伝え致します。
私との63年間の日々は、文学と音楽と映画の日々。いつも監督の口癖は「眠るのは死んでから充分眠れるのだから眠るなんて勿体ない」と本当に眠りませんでした。今頃、ロケハンの途中の天国村で、黒澤明監督や本多猪四郎監督、立川談志さん、高畑勲監督、和田誠さんにお会いして、映画談義が尽きることなく、やっぱり眠っていないのではと思います。
まだまだあふれる才能の持ち主、彼にあと三倍の映画の時間をあげたかった。大林作品を愛して下さったすべての人に監督の「ありがとう」をお伝えしたく存じます。
「ありがとう」の言葉に、毎晩、私からも監督に「ありがとう、愛してる」と真夜中の涙。
すると「お休み……」と返事が…。今頃ロケハンで未知なる道を見つけてくれていることと思います。 

2020年4月14日 大林恭子

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