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映画『モンハン』剥ぎ取り&部位破壊も実写で表現!カプコン藤岡Dが称賛する“モンハン”らしさ

ついに公開!ハリウッド版『モンスターハンター』
ついに公開!ハリウッド版『モンスターハンター』 - (C) Constantin Film Verleih GmbH

 シリーズ累計販売本数6,600万本(2020年12月31日現在)を誇るカプコンの大ヒットゲームをハリウッドで実写化した映画『モンスターハンター』(公開中)。本作のベースとなっている「モンスターハンター:ワールド」でエグゼクティブディレクター兼アートディレクターを務めた藤岡要がリモートインタビューに応じ、開発者の視点から映画の演出やモンスターについて語った。

【動画】カプコン藤岡D、実写版で“モンハンらしさ”を感じた瞬間

パッと見て「モンハン」とわかるように…原作に寄せた武器のデザイン

『モンスターハンター』
大剣オオアギトを装備するハンター - (c) Constantin Film Verleih GmbH

 2004年に第1作が発売された「モンスターハンター」は、雄大な自然を舞台にクエストを受注したハンターが巨大モンスターを狩るハンティングアクション。日本でも社会現象を巻き起こした人気タイトルの実写化は2011年ごろから報じられており、同じくカプコンの代表作『バイオハザード』を実写化したポール・W・S・アンダーソン監督が企画を進めていた。

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 開発者の藤岡も、10年ほど前から実写化の企画は耳にしていたというが、その後しばらく音沙汰がなかった。企画が本格始動する際には、アンダーソン監督が構想した映画のプロットが届いたそうで、「その当時はモンスターハンター:ワールド(以下MHW)が発表される数年前で、監督は恐らくモンスターハンター4(以下MH4)をベースにされていたと思います。プロットに組み込まれてる設定はMH4のもので、その中に映画『モンスターハンター』の世界観ならではの要素が追加されていました」と完成版とは違うストーリーが展開される予定だったという。その後「MHW」がグローバルで展開されたことを受け、脚本はリライトされ、本作のシナリオが誕生した。

 実写化するにあたり、カプコンはアンダーソン監督ら製作陣にいくつかの要望を伝えた。1つは、ハンターたちの必需品である武器。藤岡は「パッと見てモンスターハンターとわかるデザインを選んでほしい」と伝えたそうで、「例えば大剣のデザイン。大きな鉄の剣はほかの映像作品でも登場したりするので、そういったものよりかは、モンスター由来の骨など、素材から成形された武器を実際に使って頂いた方が、その武器を背負っている人物が画面に出ただけでモンスターハンターだと判断できます。アイコンになるような部分は、なるべく原作の代表的なものを選んで頂いた方が良いとお話ししました」と明かす。カプコンの要望通り、劇中でハンター(トニー・ジャー)が使用する大剣は、ゲームに登場するオオアギトとなっている。

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 デザインに関してはコスチュームも例外ではなかったといい、「パッと見ただけでは構造がわかりづらいデザインもあり、解釈が違っていたりとか、素材の質感が少し思ってたのと違かったというような部分は、フィードバックで(監督サイドに)お戻しさせて頂きました」と藤岡。山崎紘菜が演じる受付嬢など一部のキャラクターについては、ゲームのイベントで使用する衣装が制作されていたため、当時の資料を監督に共有しながら正確なデザインを生み出していった。

「モンスター=ただ人間を襲う奴ら」ではダメ 固有の生態を大切に

『モンスターハンター』
映画に登場するリオレウス - (c) Constantin Film Verleih GmbH

 「モンスターハンター」を象徴するものといえば、大自然に生息するモンスターたち。実写版にもシリーズで高い人気を誇るモンスターが数体登場するが、藤岡によると、モンスターの描き方にも注意すべき点があったという。

 「モンスターを“単に人間と敵対する勢力”にしないでほしいとお伝えしました。モンスター=ただ人間を襲う奴ら、それに対抗する人=ハンターのような関係ではいけない。モンスターと人間が共存する世界で、お互いのテリトリーに踏み込んだ際に摩擦が起こり、モンスターを討伐しなければならない瞬間があったり、モンスターを討伐して自分たちの生活に循環させるという世界観の大きな流れを大事にしていました。モンスターの描写にはデリケートな部分があるので、ただ単にモンスターが人間を襲い、ハンターが討伐しただけという表現は避けてほしかった」

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 「モンスター固有の生態を大切にしてほしい」という希望もあった藤岡。劇中で登場するディアブロス亜種、リオレウス、ネルスキュラといったモンスターは、それぞれ生物群や生息地が異なり、攻撃パターンも特有のものが存在する。こうした細かな部分にも一切の妥協はなかったそうで、藤岡は「モンスターが肉食なのか草食なのか、人間に対して攻撃してくるにしても、口から噛みつくのか角から攻撃するのかというのも変わってきますので、そういった部分の話も監督にお伝えしました」と振り返った。

モンハンらしさを強く感じた剥ぎ取り&部位破壊の演出

『モンスターハンター』
角破壊なども再現! - (c) Constantin Film Verleih GmbH

 大の「モンハン」ファンであるアンダーソン監督が、ゲームシリーズの要素を反映しながら完成させた本作。劇中で“モンハンらしさ”を感じたシーンについて尋ねてみると、藤岡は「ハンターがモンスターの素材を剥ぎ取る瞬間」と回答。「(モンスターハンターは)倒したモンスターの素材をちゃんと生活に生かすという世界観なんです、というのをずっと言っていたんです。アルテミスがモンスターの甲殻を剥いで、人を乗せて運ぶというシーンがあるのですが、そこではモンスターの素材を利用してサイクルさせる表現を、細やかに入れていただいたんですよね。ゲームの描写を映画に落とし込んで頂いてるなぁと感心しながら観ていました」と舌を巻く。

 さらに、ハンターが攻撃を続けることでモンスターの角や翼などの部位を破壊する描写にも驚いたそうで、「監督自身もゲームをプレイなされた時に、角を激突させて部位破壊する表現が気に入ったのかなと思いました」と藤岡。「ハンターが攻撃を仕掛けて、その名残でモンスターの部位が壊れる。こういった表現でもモンハンらしさが見られたので、私たちも映像で拝見したときは新鮮で驚きました」と評価した。

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 アンダーソン監督率いる製作陣とカプコンの二人三脚で実現した実写版『モンスターハンター』。藤岡は「ファンの方でも、モンスターと人が対峙したらこうなるというような、ゲーム中で味わえない迫力や重圧、一歩も動けない緊張感が味わえると思います」と見どころを語りつつ、「あとは、アンダーソン監督によるゲームの小ネタがいくつ散りばめられているのか、チェックしてみてください」とファンに呼びかけた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

モンハン開発者・藤岡要、実写版アイルーは「ワイルド感が愛らしい」映画『モンスターハンター』インタビュー » 動画の詳細
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