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「ネメシス」にも出演!期待の新星・奥平大兼、激動の1年で感じたこと

奥平大兼
奥平大兼

 昨年公開の映画『MOTHER マザー』で衝撃的なスクリーンデビューを飾った俳優の奥平大兼。本作で、第44回日本アカデミー賞新人俳優賞をはじめ、数々の映画賞で新人賞を受賞すると、2021年4月からは「レンアイ漫画家」「ネメシス」と2本の連続ドラマに出演するなど、着実にキャリアを積み上げている。そんな大注目の奥平が「ネメシス」で演じる天才AI開発者・姫川烝位という役について、そしていま俳優として感じている思いなどを語った。

【写真】17歳の逸材・奥平大兼「ネメシス」で天才AI開発者役!

 『MOTHER マザー』では、長澤まさみふんする社会の底辺を生きるシングルマザー・秋子に執拗なまでの執着を受ける息子・周平を演じた奥平。その瑞々しい演技は高い評価を受け、数々の映画賞を受賞するに至ったが、本人は「高い評価をいただけたことに対して『ちゃんとやらなくてはいけない』という思いはあるのですが、周囲の期待に応えなくては……みたいなプレッシャーはあまり感じていないんです」と周囲は大きく変化したものの、自分を見失わないように、しっかり地に足をつけて日々を過ごしているという。

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 昨秋には「恋する母たち」で連続ドラマ初出演を果たすと、4月クールでも2本の連続ドラマに出演。しかも「レンアイ漫画家」では、超が付くほどの女好きの学生、一方の「ネメシス」では冷静沈着な天才AI開発者と、真逆なキャラクターに挑んでいる。

 「ネメシス」で演じる姫川について奥平は、「ものすごく頭が良くてビジュアルもいい。プログラミング技術も完ぺきという無敵な人」と説明すると「とにかくセリフ量がこれまでの作品と比べると圧倒的に多い」と苦笑い。実際、姫川が登場する第4話の台本は、姫川の長セリフが多数記載されている。

 「今回一番のチャレンジはそこです。しっかり覚えることは大前提なのですが、話している言葉もAI開発者ということで難解なので、ただ覚えるだけではなく、自分の内側に沁みついているようにしなければいけない。その意味で、何かをしながらでもスラスラ言葉がでるように馴染ませることは、本当に難しかったです」

 さらに、これまでは1対1で対峙する芝居が多かったというが「ネメシス」では、たくさん人がいるなかで演技をする場面が多く、周囲としっかり息を合わせて演じることも要求される。奥平は「これまで以上に準備することが多く、作品への入り方などはとても勉強になりました」と多くのことを学んでいる最中のようだ。

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 また、連続ドラマのスピード感に慣れることも今後の大きな課題だという。「初めての連続ドラマだった『恋する母たち』の撮影では、そのスピードに慣れずに終わってしまった感じでした。いまも戸惑いはありますが、演出を受けたことに対してできるだけ早く対応し、お芝居にいかしていけるように頑張っています」

 「ネメシス」はオリジナルストーリー。しかも奥平にとって初体験となる、オンエアと撮影の同時進行というスケジュールだ。「僕自身、まだ自分の役が最終的にどうなるかわからないんです」と笑うと「タイミングにもよりますが、自分が演じたお芝居を観て、客観的に感じたことを次の撮影にいかすこともできるかもしれないというのは、面白いなと思っています」とプラスに考えているようだ。しかし一方で、周囲の意見に引っ張られてしまう危険性もある。「そこは難しいところだとは思いますが、しっかりと役柄の理解を深めて、ブレないように心掛けています」と語っていた。

印象的な瞳…

 激動の1年を経て、俳優という仕事への向き合い方も染みついていた。「これまで映画やドラマを観ているときは、ストーリーだけを追っていたのですが、いまは俳優さんの演技やカメラワークなども自然と見ている気がします」と語ると、考え方も大きく変わってきた。

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 以前は自分が“違う”と感じたことに対しては、シャットアウトしてしまう性格だったというが「それではダメだと気づいたので、いまはどんなに考えが合わないと思うことでも、しっかり耳を傾けて、いったん自分のなかでしっかり考えてから答えを出すようにしています」と精神的な変化を述べる。

 「まだまだ自分の演技に対して自信がない」と話す奥平。だからこそ自分と近しい人から、率直な感想や意見を言ってもらえることが大きなモチベーションとなる。特に共演した先輩俳優や監督をはじめとするスタッフからの言葉は一つ一つがすべて奥平にとっては金言となっているという。

 それでも、明確な答えがない俳優業で自信を持つことはとても難しいと実感しているようだ。「正解がはっきりわからないのに、答えを求めてしまう……それってすごく不安だと思うんです。だからこそ、何十年も映画やテレビで活躍されている方って本当にすごいなと尊敬します」と羨望の眼差しを向ける。

 奥平自身もそんな先輩たちの背中を見て前に進む。「いまはうまくできないことがあっても、それも楽しんでできているし、諦める気もないです」と視線を真っすぐ前に向ける。さまざまな課題を持って挑んだ「ネメシス」の姫川という役どころについて「櫻井翔さん演じる探偵・風真に刺激を与える人物なので、ぜひ楽しんで観てほしいです」とアピールしていた。(取材・文・撮影:磯部正和)

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