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竹野内豊、私生活も苦しかった 復讐に燃える父役でヘビーな気持ちに

映画版では刑事役、ドラマ版では復讐に燃える父役を務めた竹野内豊
映画版では刑事役、ドラマ版では復讐に燃える父役を務めた竹野内豊

 俳優の竹野内豊が13日、東京国際フォーラムにて行われた「連続ドラマW 東野圭吾『さまよう刃』」の完成報告会に出席。俳優として長いキャリアを誇る竹野内だが、「私生活も苦しかった」と今まで経験したことがないほど役を引きずってしまったことを明かした。この日は石田ゆり子三浦貴大片山慎三監督も来場した。

【画像】2014年公開の韓国版『さまよう刃』

 「さまよう刃」は、2009年に寺尾聰主演で映画化もされた、東野圭吾のベストセラー小説を連続ドラマ化した作品。男手一つで育てた愛娘を未成年の男たちに残虐な手段で殺されてしまった主人公・長峰重樹(竹野内)が、良心の呵責に苛まれながらも、法で裁けない少年たちに復讐していく。竹野内は2009年の映画版で、逃亡する長峰を追う刑事・織部を演じていた。

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 竹野内は「もしも自分自身に長峰さんのようなことが起きたらどうするか、深く考えさせられました」と台本を読んだときの印象を述べると、「僕だったら、きっと長峰さんと同じような感情になってしまうと思った。普段、オンとオフの切り替えはしっかりできるほうで、あまり役を引きずったりしないのですが、今作の撮影中は、なかなか気持ちが抜けずに、家に帰っても2日間ぐらいヘビーな気持ちで、私生活も苦しかった」と初めての経験だったことを明かす。

 長峰の正体を知りながらも手を差し伸べる女性・木島和佳子を演じた石田も、「撮影中は和佳子というより、長峰だったらどうするだろうとずっと考えていました」と強く主人公に感情移入したと述べる。2009年の映画版も観ていたそうで、「そのとき織部さんを演じていた竹野内さんが、今度は長峰さんをやられると聞いたとき、とても重いテーマの作品ですが、エンターテインメントとしてワクワクしました。竹野内さんの繊細な痛みがヒシヒシと伝わってきました」としみじみ語った。

 また、映画版では竹野内が演じた織部役の三浦は「僕も映画公開時に劇場で観たのですが、この話をいただいたときから、もし再度映画を観返したら、ぜったい竹野内さんの演技に引っ張られるだろうし、緊張しちゃうし、うまく現場にいられなくなると思って、観られませんでした」と胸の内を明かしていた。

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さまよう刃
石田ゆり子

 重厚なテーマの作品であるため、トークも非常に深い話が多いなか、司会者から主人公の長峰が「復讐をする」という大きな決断から始まった作品にちなんで、「それぞれが決断するとき、なにを拠り所にするのか」というお題が出される。すると竹野内は、アイスクリームのCMでどのアイスを食べるかに悩む部長を演じたり、連続ドラマ「イチケイのカラス」(放送中)で悩みながらも判決を下す裁判官に扮していることを例に出し、「最近は悩む男みたいなイメージがありますが、基本僕は感覚人間なので、あまり悩まないんです」と柔らかいトークを展開して周囲を和ませた。

 緩急織り交ぜたトークを展開する竹野内だったが、「いまの日本のテレビドラマは、さまざまな制約のなか作らなければいけないのですが、この作品は今までの日本のテレビドラマの概念を覆すような衝撃的な内容になっています」と強い視線で発言。続けて、「でも、ただむごいシーンを観せるために作ったわけではなく、少年法の問題、被害者・加害者家族の思い、警察やマスコミの在り方など、いろいろなテーマが内在している素晴らしい作品になっています」と作品の出来に自信をのぞかせていた。(磯部正和)

「連続ドラマW 東野圭吾『さまよう刃』」は5月15日WOWOWで放送・配信スタート(毎週土曜夜10時)

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