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【ネタバレ注意】『インディ・ジョーンズ』忘れられないトラウマシーンの裏側

記憶に残る場面が連続する『インディ・ジョーンズ』シリーズ
記憶に残る場面が連続する『インディ・ジョーンズ』シリーズ - Paramount Pictures / Photofest / ゲッティ イメージス

 今夜24日と10月1日の2週にわたり、日本テレビ系金曜ロードショーにて、ジョージ・ルーカス製作総指揮、スティーヴン・スピルバーグ監督による『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984)、『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(1989)が放映される。考古学者で冒険家インディアナ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)の活躍を描いた同シリーズは、次々に危機が襲いくるスリリングな展開と人知を越えた神秘的なストーリーが魅力。超自然のパワーが容赦なく人間たちを飲み込んでいく、ショッキングなトラウマシーンもふんだんに盛りこまれた。(神武団四郎)(以下、映画の内容を一部含みます)

『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』フォトギャラリー

 神から与えられた戒律「十戒」を記した石板を収めた「聖櫃」の争奪戦を描いたシリーズ第1作『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』(1981)。この作品で話題を呼んだのが、クライマックスの聖櫃の儀式だ。櫃を空けると中から淡い光を放つ精霊たちが出現し、周囲にいた人々を襲撃。ある者は顔を潰され、またある者は体が溶け、頭が破裂してしまう者も。神の力に触れる恐怖が壮絶な映像で描かれた。

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 これらの特殊効果は、デヴィッド・クローネンバーグ監督作『スキャナーズ』(1981)で超能力による頭部爆破を描いたクリス・ウェイラスが担当。ひしゃげる頭はメカ仕掛け、溶ける顔はゼラチンを何層にも重ねた顔をヒーターで熱しタイムラプスで撮影。破裂する頭はエアコンプレッサーで粉砕した。

 さらに映画の中盤には、床一面をヘビが埋め尽くした“魂の井戸”が登場。巨大なセットに数千匹ものヘビを放って撮影された。猛毒を持つコブラがインディを威嚇するカットは、合成ではなくコブラとハリソンをガラス板で隔てて撮影。俳優たちの動きにコブラが瞬時に反応する、リアルな怖さが味わえる。この危険な動物に囲まれるサスペンスはシリーズの名物になり、第3作『最後の聖戦』では、ネズミがひしめくカタコンベ(地下墓地)での攻防戦や、回想シーンで大量のヘビに埋もれる姿も描かれた。第4作『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(2008)では数センチはある軍隊アリの大群がインディたちを襲撃する。

 そんなシリーズの中でも、とくにトラウマ指数が高いのが、第2弾『魔宮の伝説』である。前作のヘビ以上の見せ場を求めたスピルバーグがたどり着いたのは虫。無数の虫が床や壁を埋め尽くす洞窟をインディたちが突破する、壮絶な見せ場が用意された。大小さまざまな虫が侵入者に群がり、体をよじ登っていく姿は悪趣味の極み。おまけにCG時代の今日と違い、虫たちは本物だ。イギリスの業者からさまざまな種類やサイズの虫たちがスタジオへと持ち込まれ、実際に俳優たちの体を這い回るさまが撮影された。

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虫だらけの洞窟もなかなかのトラウマ Paramount Pictures / Photofest / ゲッティ イメージス

 インドを舞台にした本作は、宮殿でふるまわれるフルコース料理も凄まじい。まずはヘビの詰め物料理。活け作りのようなヘビの体にナイフを入れると、裂け目から大量のウナギが絡み合いながら躍り出る。その様だけでも強烈だが、暴れるウナギをつまんで“躍り食い”するのがお作法らしい。ゆでた黒い甲虫は、殻をはがしてどろりとした内臓をなめるように食すのがミソ。撮影にはゴム製の虫とカスタードソースが使われた。目玉のスープに続き、とどめは猿の脳みそのシャーベット。頭頂部を切りとり皿に載せて饗された猿の頭から、そのままスプーンですくっていただく。ちなみ脳ミソはカスタードとラズベリーソース製だそうだが、強烈な見た目は否が応でも食欲を減退させる。ほかにも生きたまま人間の心臓をえぐり出す儀式など、スピルバーグはキャリア史上最大級の悪趣味ぶりを披露した。

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 衝撃映像が続出の『魔宮の伝説』だが、アメリカ映画協会はレーティングをPG(保護者の指導があれば子供の鑑賞可)に指定。しかし子供には強烈すぎたと考えたスピルバーグは映画協会(MPAA)に掛け合い、その結果PG-13(13歳未満の鑑賞は保護者の注意が必要)というレーティングが新設されることになったのだ。冒険映画の金字塔として愛されている『インディ・ジョーンズ』シリーズ。映画の格付けを変えたという意味でも、映画史にその名を刻む作品だった。

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