松井玲奈、主演作で学んだ大切な人との距離感

　女優の松井玲奈が4日、新宿武蔵野館で行われた映画『幕が下りたら会いましょう』公開記念舞台あいさつに出席。作品を通して大切な人への距離感に変化があったことを明かした。この日は、共演する日高七海、江野沢愛美、前田聖来監督も登壇した。

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　本作は、妹・尚（筧美和子）の死に複雑な思いを持つ劇団主宰の麻奈美（松井）が、妹の同僚だったほのか（江野沢）をはじめ、さまざまな人との出会いと再会を経て自分自身と向き合っていく姿を描いたヒューマンストーリー。

　松井にとって映画単独初主演となる本作では、人にしっかりと思いを伝えることの大切さが描かれている。松井は「わたしはとても心配性で、大切な人には『大丈夫かな』と手厚く何かをしてしまうことが多かったのですが、この作品を通して、言葉を掛けずとも、見守って抱きしめるだけでも、伝わることがあるんだなということを学びました」と自身の気持ちに変化があったことを明かす。

　また、メガホンを取った前田監督が「大切だと思っているけれど、なかなか気持ちを伝えられない人が、この作品を観て、素直に『大切だ』と伝えられるようになってくれれば嬉しいです」と作品に込めたメッセージを語ると、松井も「わたしが演じた麻奈美は孤独で、孤立している女性だと思っていたのですが、俯瞰的に見ると、いつも誰かが見守ってくれていたんだなと感じました。いま孤独だなと感じている人も、きっとそういう人がいるはずなので、明日を続けようと思っていただければ」と呼びかけた。

　劇中には、泥酔した麻奈美とほのかが、悪口を言うことで打ち解けていくシーンがある。司会者から、とてもリアリティーのある描写だったと称賛された江野沢は「あのシーンはアドリブだったんです」と告白。前田監督から「使わないので」と言われていたというが、実際はほぼカットされずに使用されており、松井は「空気感が合ってとても楽しいシーンだったので、使ってもらえたのかもしれませんね」と笑顔。かなり辛辣（しんらつ）な言葉が松井の口からも出ていたというが「あれは麻奈美の心の声であって、わたし自身の言葉ではないですからね！」と念を押し、客席を笑わせていた。（磯部正和）

映画『幕が下りたら会いましょう』は新宿武蔵野館ほか全国順次公開中