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「鎌倉殿の13人」笑いと残酷描写 キャストを翻弄する三谷脚本のふり幅

「鎌倉殿の13人」初回より北条義時(小栗旬)と源頼朝(大泉洋)
「鎌倉殿の13人」初回より北条義時(小栗旬)と源頼朝(大泉洋) - (C)NHK

 小栗旬主演の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(1月9日スタート、NHK総合ほか)の制作統括を務める清水拓哉チーフ・プロデューサーが、主人公の北条義時を取り巻く重要な登場人物に触れながら三谷幸喜の脚本の魅力を語った。

【写真】「鎌倉殿の13人」初回場面写真

 「新選組!」「真田丸」に続いて三谷幸喜が大河の脚本を手がける本作は、鎌倉時代を舞台に、源頼朝(大泉洋)にすべてを学び武士の世を盤石にした二代執権・北条義時(小栗)が、いかにして武士の頂点に上り詰めたのかが描かれる。タイトルの「鎌倉殿」は、鎌倉幕府将軍を指す。

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 清水は源頼朝に始まり、北条家へと受け継がれる鎌倉幕府の少々複雑な歴史や登場人物について、三谷脚本がそれを全く感じさせないエンターテインメントに仕上げていると強調。「三谷さんの台本は何げなく出てくるキャラクターであっても印象的に描かれる。台本を読むと“北条なんとか”さんっていう人がいっぱいいるなっていう印象でしたけど、映像化すると、誰が誰という感じに全くならなかった」とその手腕に圧倒された様子。

 脚本について「三谷脚本ならではですが、コミカルなところ、笑ってしまうところがある一方で非常に残酷な描写もある。不条理だったり、人々が苦しむシーンもあります」と挙げ、それを体現するキャストにも触れる。「コミカルな面からの振り幅が大きく、大変だというのを出演される皆さんおっしゃいます。そこは役者さんそれぞれが工夫をしてアプローチしています」

源頼朝(大泉洋)

 大泉洋が演じる源頼朝像については「今までの大泉さんと違うイメージです」と指摘。「頼朝は源氏のメンバーを率いて鎌倉幕府を開いた。彼の敵は誰かというと、平家だけではなかった。幼少期は身寄りがなく、成長する過程でよそ者扱いもされる。そこから貴族出身であることをたった一つのカードとしてさまざまな武士を従えていき、瞬く間に平家を滅ぼし日本を平定していく。その中で彼の一番の敵は仲間だった」と分析し、「演じる大泉さんは本当に新鮮でした」と述べる。

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頼朝と北条政子(小池)

 小池栄子が演じる北条政子も注目すべき登場人物だ。「北条政子は、義時と同じで、生まれた時、若い時は歴史の表舞台に立つとは思ってもみないような人生を送っていた。それが幕府成立以後、権力を持って御家人を仕切っていくようになる。相当な力がないとできなかったと思います。彼女は哀しいことに子供たちを次々に亡くしていく運命にある。その悲劇をいかに乗り越えていくかは、ものすごいドラマ。そこを乗り越えていく強さを描くのですが、小池栄子さんならではの演技が見られると思います」と胸を張る。

 大泉と小池は、三谷幸喜作・演出の2017年の舞台「子供の事情」や映画『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』(2020)など度々共演。キャストではこれまで小栗、大泉、小池のほか新垣結衣菅田将暉、語りに長澤まさみと豪華キャストが続々と発表され話題を呼んでいる。清水は「1年間続くし、長い年月を描く。変化の中であっと驚くキャストも発表できると思います。隠しておりますので、楽しみにしていてください」と呼びかけていた。(取材・文:名鹿祥史)

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