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『ウエスト・サイド・ストーリー』アンセル・エルゴートがトニー役を勝ち取るまで 「テープを送りまくった」

『ウエスト・サイド・ストーリー』よりアンセル・エルゴート演じるトニー
『ウエスト・サイド・ストーリー』よりアンセル・エルゴート演じるトニー - (C)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 先ごろ発表された第94回アカデミー賞のノミネーションで、作品賞、監督賞含む7部門でノミネートされたスティーヴン・スピルバーグ監督のミュージカル映画『ウエスト・サイド・ストーリー』(2月11日公開)。本作で主人公トニーを演じるアンセル・エルゴートが、役を射止めるまでの道のり、憧れのスピルバーグへの熱い思いを語った。

【写真】助演女優賞にノミネートされたアニータ役アリアナ・デボーズ

 本作は、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」をモチーフにした1957年初演のブロードウェイ・ミュージカルを映画化。1950年代のニューヨーク・マンハッタンのウエスト・サイドを舞台に、ヨーロッパ系移民のトニー(アンセル・エルゴート)と、プエルトリコ系移民のマリア(レイチェル・ゼグラー)の許されない恋の行方を描く。アカデミー賞では作品賞、監督賞のほか、マリアの兄の恋人アニータを演じたアリアナ・デボーズが助演女優賞にノミネート。撮影賞、美術賞、衣装デザイン賞、録音賞でも候補入りした。

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 現在75歳のスピルバーグと、27歳のアンセル。もともとスピルバーグ監督の大ファンだったアンセルは「「本当にクリエイティブだ。彼は僕たちが愛している映画を作ってきたよね。『グーニーズ』のような楽しくて可笑しい映画、『E.T.』のような悲しくてでも可笑しい映画、『ジョーズ』のような怖い映画、『インディ・ジョーンズ』のようなアクション映画などをね!」と、彼が手掛けてきた作品の魅力を熱弁。そして、『ウエスト・サイド・ストーリー』の主演を勝ち取るまでの道のりを以下のように語っている。

 「どうしてもトニー役がやりたかった。オーディションに参加し始めたとき、僕は別の映画の撮影中で忙しくはあったんだけど、とにかくオーディションに参加することにしたんだ。テープを送りまくったよ。僕のボーカル・コーチと一緒に取り組んで、何度もテープを録り直しながら、どんどん良いものになって、ようやくスクリーン・テストまでたどり着いたんだ! ただし、それで役につけたわけではないからね……!その後も頑張り続けて……オペラ・コーチから習ったり、テープを送ったりしてやっと最後までいくことができたのさ!」

トニーとマリアの名曲「トゥナイト」の歌唱シーン

 一方、スピルバーグはトニー役の俳優を1年がかりで探していたと言い、「1年かけてトニー役を探していたところにアンセルがやってきた。カメラに映された彼は実際の年齢よりも若く見えたかと思うと、次の瞬間には、マーロン・ブランドのようにも見えた。“少年”でありながら“男”でもあり、容易に交替させることができる」とアンセルの魅力を紹介。本作での演技に「物語では、トニーは“光”を見つけようと必死になって“影”から姿を現し、そのせいでもっと悲痛な出来事が起こるわけだけど……そんなトニーを作り上げる方法をアンセルは確かに見出していたね」と賛辞を送っている。

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 『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ラストナイト・イン・ソーホー』などのエドガー・ライト監督による『ベイビー・ドライバー』(2017)で主演に抜擢され一躍注目を浴びたアンセル。念願のスピルバーグ作品では、「ロミオとジュリエット」の有名なバルコニーのシーンを模した「トゥナイト」の歌唱シーンをはじめ、美しくパワフルな歌声を披露。今後、渡辺謙菊地凛子伊藤英明笠松将山下智久ら日本人キャストも大挙出演するマイケル・マン監督のWOWOWドラマ「TOKYO VICE」の放送を控える。(編集部・石井百合子)

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