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「ムーンナイト」最速レビュー:MCU新機軸は狂気と謎解きで魅せるダークヒーロー神話

MCUにダークヒーロー降臨
MCUにダークヒーロー降臨 - (c) 2022 Marvel

 マーベル・スタジオ製作のオリジナルドラマシリーズ「ムーンナイト」の第1話から第4話が、ディズニープラス配信に先駆け、メディア向けに先行公開された。スリラー映画のような“狂気”と、視聴者を楽しませる“謎解き”の新機軸で描くマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のダークヒーロー神話を、一足先にレビューする。

【動画】マーベルドラマ「ムーンナイト」予告編

 本作の主人公は、国立博物館のギフトショップで働くごく普通の男性スティーヴン・グラント。睡眠障害に悩まされるスティーヴンは、夜通し悪夢にうなされ、幻覚に怯える日々を過ごしている。ある日、スティーヴンは些細な出来事をきっかけに、別の人格が自身に潜んでいると気づき始める。狂気が頂点に達した時、スティーヴンは狂気と残虐性を備えたダークヒーロー・ムーンナイトへと覚醒する。

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 第1話から、スティーヴンに起きる不可解な現象を、MCUでは珍しいハードなバイオレンス描写を交えて描き出すスリリングなストーリーが展開する。見知らぬ場所で目を覚まし、敵集団に追われるスティーヴンだが、画面が点滅した次の瞬間、彼の手は血だらけで、周囲には敵の死体が転がっている。スティーヴンから別人格マーク・スペクターへと瞬時に変わる恐怖を、視覚的に表現する演出は斬新。古代の神コンシューの力を宿したムーンナイトの戦いでは、他のMCUヒーローとは一線を画した“狂気”が滲み出ている。

 ムーンナイトとして覚醒したスティーヴンが、世界を股にかけた冒険へと繰り出すストーリーには、原作コミックと同じく、古代エジプト神話の要素が盛り込まれている。国立博物館で働き、歴史の知識があるスティーヴンが、エジプトに降り立ち謎を解明していくさまは、『インディ・ジョーンズ』『ナショナル・トレジャー』といったアドベンチャー大作のような高揚感や臨場感を味わうことができる。エジプト文化の神秘性をマーベルドラマへ見事に昇華させた、新鋭モハメド・ディアブ監督の手腕も輝く。

真っ白スーツが特徴的なMr.ナイト -(c) 2022 Marvel

 もちろん、主要キャストの演技も見どころの一つ。『スター・ウォーズ』新三部作のポー・ダメロン役や『X-MEN:アポカリプス』のヴィラン・アポカリプス役で知られるオスカー・アイザックが、主人公スティーヴンと別人格マークの二役を見事に演じ分けており、シリアスとコメディーのバランスは絶妙である。主人公と対峙する謎多き男・アーサーを演じるイーサン・ホークの悪役っぷりにも目を見張るものがあり、MCUにおける魅力的な新ヴィラン誕生を確信させる。

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 マーベル・スタジオは「ワンダヴィジョン」を皮切りに、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」「ロキ」「ホークアイ」でMCU作品とのリンクを拡張してきたが、「ムーンナイト」は独立した作品という印象が強い。とはいえ、MCUとの繋がりを全く感じないわけではなく、キャラクターのセリフを注意深く聞くと、ファンであればお馴染みの単語が飛び出す。マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギは、ドラマシリーズでデビューするヒーローたちは、今後のMCU映画にも登場すると、2019年の時点でThe Hollywood Reporter のポッドキャスト番組に語っており、ムーンナイトも例外とは言えないだろう。そういった意味でも、「ムーンナイト」はMCUの新たな可能性を引き出す、重要作であることは間違いない。(編集部・倉本拓弥)

オリジナルドラマシリーズ「ムーンナイト」は3月30日(水)16時よりディズニープラスにて独占配信開始

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