横浜流星、李相日監督と初タッグで大きな壁「甘えるって何だろう」
俳優の横浜流星が13日、都内で行われた映画『流浪の月』（5月13日公開）完成披露試写会に出席。横浜は本作で広瀬すずと恋人役で共演した際に、甘える芝居に苦戦したことを明かした。
本作は、2020年に本屋大賞を受賞した凪良ゆうの小説を、映画『悪人』『怒り』などの李相日監督が映画化。少女誘拐事件の被害者と加害者になった少女・更紗（広瀬）と青年・文（松坂桃李）が15年後に思わぬ再会を果たし、周囲に波紋を呼んでいくさまを追う。試写会には広瀬すず、松坂桃李、多部未華子、李相日監督も登壇した。
横浜は誘拐事件の被害者として好奇の目に晒される更紗（広瀬）の恋人・亮を演じた。李組初参加となった横浜は「チャレンジしかなかった」と撮影を振り返り、「最初、自分の中に亮という人物の要素がまったくないと思っていたので、非常に大きな壁でした」と心情を吐露。司会者から「どんなところがまったく違うと？」と質問されると「一番は甘える部分ですね。僕は十数年間空手をやっていて『人に弱みを見せるな』とか『涙を見せるな』ということを叩きこまれていたんです。だから甘えるって何だろう……というところから始まりました」と回答する。
そんな横浜に李監督が「膝枕をしてもらえば？」とアドバイス。実際に、リハーサル室で広瀬に膝枕をしてもらうも、広瀬も横浜も人見知りで、敬語のなかぎこちない膝枕になってしまったという。しかし横浜は少しずつ「甘えるってこういうことなのかな」と理解し、「監督がおっしゃっていた『甘えるということは楽なことなんだよ』という言葉を理解できたことは大きな収穫でした」と語っていた。
亮は、誘拐事件の加害者を慕う恋人を理解できず苦しむ。そんな文と更紗の、言葉では言い表せない関係を描いた作品にちなみ、切っても切れない宿命のような関係の存在を問われた横浜は「自分」と回答。その真意について「空手も俳優業も、常に自分と向き合わなければいけない。昨日の僕には絶対に負けたくない」と説明。李監督は「亮という役を演じてもらううえで、こういう感じをほぐそうと思ったんですよね」と笑うと「でもこういうところはとてもいいと思うんです」と横浜のストイックさを称えていた。（磯部正和）
