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川村元気監督『百花』が日本人初となる最優秀監督賞を受賞!サンセバスチャン映画祭

天国のおばあちゃんに感謝したいとシルバー・シェル賞(最優秀監督賞)を受賞した川村元気監督。
天国のおばあちゃんに感謝したいとシルバー・シェル賞(最優秀監督賞)を受賞した川村元気監督。

 スペインで開催されていた第70回サンセバスチャン国際映画祭で、オフィシャルセレクション部門(コンペティション)に選出されていた菅田将暉原田美枝子主演、川村元気監督作『百花』(公開中)が、シルバー・シェル賞(最優秀監督賞)を受賞した。同賞を日本人監督が受賞するのは初めて。

【画像】サンセバスチャン国際映画祭での原田美枝子&川村元気監督

 授賞式で川村監督は、この日はのんびりビルバオのグッゲンハイム美術館に観光に行き、バルで地元の微発泡白ワイン・チャコリを飲んでいた時に受賞の知らせを聞いたそうで「吹き出しそうになりました」と語り、会場の笑いを誘った。

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 続けて「初めての(長編)作品に監督賞を与えてくれてありがとうございます。そして主演の菅田将暉さん、黒澤明監督のミューズ・原田美枝子さん、素晴らしいスタッフに感謝したいと思います。最後に、この物語は僕のおばあちゃんの物語でもあります。おばあちゃんに報告したいのですけど、この世にはいません。この場を借りて、天国のおばあちゃんに感謝したいと思います」と語り、スペイン語で祖母への感謝を捧げると、会場から大きな拍手が贈られた。

 同作は、映画『悪人』『君の名は。』などのプロデューサーで知られる川村監督の初長編作で、原作・共同脚本も手掛けている。祖母をモデルに、認知症で記憶を失っていく母親と、その母を介護することで封印していたはずの過去の記憶がよみがえり、親子関係を修復していくヒューマンドラマ。

 なお最優秀作品賞のゴールデン・シェル賞は、奪われた祖母の土地を取り戻すためにコロンビアを旅する少年たちの危険なロードムービーをダイナミックな映像と詩的な心理描写で描いたラウラ・モラ監督作『ザ・キングス・オブ・ザ・ワールド(英題) / The Kings of the World』に贈られた。同賞を女性監督が受賞するのは、3年連続となる。(取材・文:中山治美)

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主な受賞結果は以下の通り。

■ゴールデン・シェル賞(最優秀作品賞)
ラウラ・モラ監督『ザ・キングス・オブ・ザ・ワールド(英題) / The Kings of the World』(コロンビア・ルクセンブルグ・フランス・メキシコ・ノルウェー)

■特別審査員賞
マリアン・マティアス監督『ランナー(原題) / Runner』(アメリカ・ドイツ・フランス)

■シルバー・シェル賞(最優秀監督賞)
川村元気監督『百花』(日本)

■シルバー・シェル賞(最優秀主演俳優賞)
ポール・キルシャー『ウィンター・ボーイ(英題) / Winter Boy』(フランス)
カーラ・キレス『ラ・マテルナル(原題) / La Maternal』(スペイン)

■シルバー・シェル賞(最優秀助演俳優賞)
レナータ・ラーマン『ザ・サブスティテュート(英題) / The Substitute』(アルゼンチン、スペイン、イタリア、メキシコ、フランス)

■審査員賞(最優秀脚本賞)
ドン・ユン・チョウワン・チャオ『ア・ウーマン(英題) / A Woman』(中国)

■審査員賞(最優秀撮影賞)
マニュエル・アブラモヴィッチ『ポルノメランコリア(原題) / Pornomelancolia』(アルゼンチン、フランス、ブラジル、メキシコ)

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■ニュー・ディレクターズ賞
ジャンヌ・アスランポール・サンティラン監督『スペア・キーズ(英題) / Spare Keys』(フランス)

■サンセバスチャン観客賞
サンティアゴ・ミトレ監督『アルゼンチン、1985(原題) / Argentina, 1985』(アルゼンチン・アメリカ)

■国際映画批評家連盟賞
ミケル・グレア監督『スロ(原題) / Suro』(スペイン)

■ドノスティア賞(生涯功労賞)
ジュリエット・ビノシュ
デヴィッド・クローネンバーグ監督

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