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素晴らしき、きのこの世界 (2019):映画短評

素晴らしき、きのこの世界 (2019)

2021年9月24日公開 81分

素晴らしき、きのこの世界
(C) 2018, Fantastic Fungi, LLC

ライター3人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.3

山縣みどり

地球と人類を救うのはキノコかも

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

シイタケのほだ場を取材した直後に見たので、菌類のさまざまなパワーにビビッドに反応してしまった。生きとし生けるものの分解や再生に重大な役目を果たしたり、環境を浄化したり。さらにはアルツハイマーや癌などの治療にも実験的に使われているとは驚くばかり。キノコって低カロリーで美味しいだけではなかったのだ! マンディ・パティンキン似の菌類学者ポール・スタメッツのきのこ愛に和む。特殊なレンズやカメラを使った菌類の映像も美しいし、地球と人類を救うのはキノコかもと思わせる。ただしマジック・マッシュルームの世界に突入する後半は、あまり興味が持てず。

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

キノコ・菌類の世界がこんなにも可能性に満ちているとは!

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 知っているようで知らなかったキノコ・菌類の秘めたる不思議なパワーを、環境保護や医療への応用など様々な視点から考察するドキュメンタリー。環境汚染の浄化や害虫の駆除など、自然由来だからこそ安全かつ効果的に使えるというのは初耳だったし、アルツハイマーやがんの治療における有効性にも関心をそそられる。カラフルで神秘的なキノコの世界を鮮やかに捉えた映像も美しい。しかし個人的に最も興味深かったのはキノコの幻覚効果。一度の服用で効果が長く継続するため医薬品業界からの投資は期待できないらしいが、不安や憂鬱をなくすだけでなく人生観まで変わる究極の幸福感というものを、ぜひ一度体験してみたいものである。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

のびていく菌類の曲線の柔らかさにうっとり

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 菌類がのびやかに成長していき、奇妙な色と形の多様なきのこになり、つながってネットワークを広げていく。そのさまが、高速でみるみるうちに変化していくかのように映し出されて、そのリズム、曲線の滑らかさ、形象の摩訶不思議さが、うっとりさせてくれる。その柔らかな動きの延長線上にあるので、きのこの向精神薬的効果が語られるときに背景に映し出される万華鏡のような映像も、そのまま心地よく、きのことして語りかけてくるブリー・ラーソンの声も耳に柔らかい。きのこの生態を見ているうちに、生物や植物だけでなく、地球に存在するすべてのものがつながっていて、互いに影響を与えあっているという世界のありようも見えてくる。

この短評にはネタバレを含んでいます
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