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プリズナーズ・オブ・ゴーストランド (2021):映画短評

プリズナーズ・オブ・ゴーストランド (2021)

2021年10月8日公開 105分

プリズナーズ・オブ・ゴーストランド
(C) 2021 POGL SALES AND COLLECTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

ライター3人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 2.3

斉藤 博昭

ニコケイの境地、その美学とは…

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

独創的面白さにつながったかどうかは、観る人で判断が分かれそうだが、「ハリウッド監督が日本でやりたい放題」的センスを意識した作りが斬新&ユニーク。時代も国の概念も軽やかに超えた世界観は、ひたすら視覚的に楽しい。非情なドラマ、荒涼とした背景に、カリカチュアされた美術、トンデモな笑い、物議をかもしそうな社会派要素も盛り込んだスタイルは、テリー・ギリアム世界が重なり、炸裂するバイオレンスにも力が入る。

本人が真剣に演じれば演じるほど、その逆ベクトルでわれわれを喜ばせる。それこそ唯一無二の境地、究極の“はずし”美学だと強く信じるニコケイ信者としては、今作の“狙った”演出は、冷静に見つめるのみであった。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

終始弄られまくるニコケイ

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

オール日本ロケで、『ニューヨーク1997』×『マッドマックス』な世界観の下、ふんどし一丁、ママチャリ疾走、タマ破裂など、ニコラス・ケイジを弄りまくる。それらは確かにハリウッド進出した園子温監督によるニコケイ映画で観たかったカットではある。だが、これだけクセのあるキャスティングを揃え、いくらでも面白くなりそうな設定ながら、まったくエンジンがかからない。グダグダな編集のせいもあって、まるで“園監督をリスペクトする誰がか撮ってみました”にしか見えない。ハリウッドの洗礼を受けるべくして受けたというべきか、いろいろとオトナの事情が絡んでいそうな仕上がり。次なる展開に期待したいところ。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

トンデモない風景にニコラス・ケイジがよく似合う

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 昨今のニコラス・ケイジ主演作というと、ついついトンデモないストーリーを期待してしまうが、本作の場合はトンデモないのはストーリーではなく、世界の様相。『マッドマックス』風な荒野の中、極彩色の日本の遊郭がある西部劇の宿場町には、日本のサムライもいれば、現代風な銀行強盗もいて、人々は日本の村祭りのような狐のお面をかぶって舞い踊ったりもする。マネキン人形の中に女の子を閉じ込めて世界から隠そうとする人形師のような男がいて、卵の殻を貼り付けるように、女の子の肌にマネキンの外殻を貼り付けたりもする。そういう風景の中に立つニコラス・ケイジとソフィア・ブテラが、その中に埋もれることなく、むしろ輝きを増す。

この短評にはネタバレを含んでいます
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