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さまざまな時間が、もしこんなふうに並んでいたら

2021年10月11日 平沢 薫 Our Friend/アワー・フレンド ★★★★★ ★★★★★

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Our Friend/アワー・フレンド

「時間」というものが、もしも、この映画を見ながら観客が体験するような形で存在するものだったら、いろんなことを別の視点からとらえることが出来るのではないか。本作は、主人公の妻が回復困難な病状だと告知される時点を「0」基点として、「その何ヶ月前」「その何ヶ月後」という形で、さまざまな出来事を、進行通りではない別の順序で並べていく。すると、観客の視点からは、さまざまな時間と出来事が「今ここ」から「同じ距離」にあるように見えてくる。苦痛を持たらす出来事も喜びとなる体験も、ずっと昔もちょっと前もずっと後も、同じように並ぶ。その視点から、何が見えるのか。映画はそれを、静かな筆致で描いていく。

平沢 薫

平沢 薫

略歴:映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「SCREEN ONLINE」「Movie Walker」「日経エンタテインメント!」「DVD&動画配信でーた」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」等で執筆。他に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況:『第9地区』のニール・ブロムカンプ監督の短編映画をまとめて見られるのが連作『Oats Studios』@Netflix。これらのディストピア系SF短編の数々を見ていると、この監督の新しい長編映画が見たくなる。ブラック・コメディ系の短編はちょっと……だけど。

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