チリの軍事独裁政権が遺した深い傷跡

2021年10月14日 なかざわひでゆき 夢のアンデス ★★★★★ ★★★★★

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
夢のアンデス

 雄大なアンデス山脈の厳しくも美しい光景に、祖国チリへ対する監督の愛情を投影しつつ、軍事独裁政権が崩壊してから30年以上を経た今もなお、チリ社会に残る深い傷跡を静かに見つめていくドキュメンタリー。大勢の一般市民を虐殺した「戦犯」たちの多くが反省することなく権力の座に留まり、体制側に阿る経済学者が先導した新自由主義経済が格差社会を固定してしまった。スマホなどテクノロジーの発達によって表層的には平和で豊かだが、しかし社会の本質は独裁政権時代とあまり変わっていない。そんなチリの現状を憂う監督の視点に深く共感できるのは、恐らく日本社会の今との共通点が少なくないからだろう。

なかざわひでゆき

なかざわひでゆき

略歴:日本大学芸術学部映画学科卒、同学部大学院卒。映画・海外ドラマのライターとしてキャリア30年。TVガイド誌やオンライン情報サイトなどを中心に幅広く執筆活動中。雑誌「スカパー!TVガイドBS+CS」(東京ニュース通信社刊)で15年続くコラム“映画女優LOVE”をはじめ各テレビガイド誌で特集記事やコラムを執筆。著書は「ホラー映画クロニクル」(扶桑社刊)、「アメリカンTVドラマ50年」(共同通信社刊)など。海外取材経験も多数。旧ソ連のモスクワ育ち。

近況:最近は今さらながらK-POPのボーイズバンドにドハマり中。一番の御贔屓はMCNDですが、NCTやTREASUREも大好き。もちろんBLACK PINKとかITZYとかEVERGLOWとかガールズにも夢中です。

サイト: http://eiga3mai.exblog.jp/

なかざわひでゆきさんの最近の映画短評

もっと見る

[PR]