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かそけきサンカヨウ (2021):映画短評

かそけきサンカヨウ (2021)

2021年10月15日公開 115分

かそけきサンカヨウ
(C) 2020 映画「かそけきサンカヨウ」製作委員会

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3

なかざわひでゆき

優しく穏やかな目線で現代社会における家族の形を模索する

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 同居することになった父親の再婚相手とその幼い連れ子に気を遣い、子供の頃に別れた母親への想いを募らせるヒロインを中心に、それぞれ複雑な家庭の事情を抱えた高校生たちの苦悩と成長を温かな目で見守りつつ、価値観も生き方も多様化した現代社会における家族の形を摸索する。なにか特別にドラマチックな展開があるわけでもなければ、ことさら波風を立てるような人間が出てくるわけでもない。日常の些細な出来事と揺れ動く感情を丹念に描きながら、家族というのは血の繋がりに関係なく、ひとりひとりが相手を思いやりながら作り上げていくものであることを教えてくれる。大人がちゃんと大人の役割を果たしているのもいい。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

家族を軸に展開していく成長物語

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

今泉力哉監督作おなじみの、「好き」という感情に振り回される「ドラゴン桜」の真里(を演じた志田彩良)と藤井(を演じた鈴鹿央士)。だが、本作は今泉作品としては異質で、突然継母と妹と暮らすことになった主人公のほか、それぞれの家族の悩みや家庭事情が中心に描かれていく。愛すべき“かいじゅう”的役割を果たす子役の使い方も相変わらず巧いなか、監督の愛を特に感じるのは、片思いキャラである中井友望。『パンバス』『mellow』と、着実にステップアップした志田ばりに、今後の展開に期待大だ。ただ、近年の今泉作品に溢れていた破壊力に欠けるのは事実で、もうちょいタイトにしてほしかった感もアリ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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