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マーティン/呪われた吸血少年 (1978):映画短評

マーティン/呪われた吸血少年 (1978)

2021年10月15日公開 96分

マーティン/呪われた吸血少年
(C) 1977 MKR Group Inc.
なかざわひでゆき

哀しくも切ない吸血少年の孤独と悲劇

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 現代のピッツバーグを舞台に、愛情に飢えた孤独な吸血鬼の少年マーティンと、彼を忌み嫌う信心深い老人の確執が招く悲劇を描いたジョージ・A・ロメロの傑作ヴァンパイア映画。恐らく日本での正式なロードショー公開は初めて。本作がユニークなのは、主人公マーティンが超自然的な怪物ではないこと。明るい昼間に外を出歩いても平気だし、ニンニクや十字架を拒絶するわけでもないし、そもそも84歳という年齢も本当なのか定かではない。つまり、何らかの理由で自分を吸血鬼だと思い込んでいるだけの繊細な若者が、保守的な老人の不寛容と偏見によって迫害される物語という解釈も成り立つ。そういう意味で、非常に普遍的なテーマを孕む作品だ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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