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実録としての衝撃、エンタメらしい全体の巧みな構成

2021年10月26日 斉藤 博昭 モーリタニアン 黒塗りの記録 ★★★★★ ★★★★★

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モーリタニアン 黒塗りの記録

実録の骨太感と強靭テーマ、そしてエンタメとしてのメリハリ。その両面から高レベルな仕上がりを狙い、成功した好例。
実話という点では、グアンタナモ収容所の厳重セキュリティや、内部での目を覆う拷問、そして重要機密が黒塗りにされた事実など、ひたすら生々しく演出。この事件に限らず、世界全体で起こりうる不条理感に戦慄させ、怒りが込み上げる意味で、観る者の心は沸き立つ。
エンタメ的な作りでは、裁判での敵対の構図、真実のバランスを意識しつつ、要所で繊細な感動シーンを用意しているところ。9.11テロに加担したとされて拘束され、頑な態度を貫く主人公が、いくつかの場面でみせる弱さ、悲しみが不覚に胸を締めつける。

斉藤 博昭

斉藤 博昭

略歴:1963年神奈川県藤沢市生まれ。高校時代は映画研究部に所属。1997年よりフリーランスのライターとしてさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。得意ジャンルはアクション、ミュージカル。最も影響を受けているのはイギリス作品です。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。

近況:昨年に続いてトロント国際映画祭はオンラインで参加。導入はエイリアンものの「Encounter」、国民的人気TVジャーナリストをレア・セドゥが熱演する「France」、「ダンケルク」の若手俳優たちが愛欲ドロドロを演じる「Benediction」などが記憶に。

サイト: https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohiroaki/

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