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愛のまなざしを (2020):映画短評

愛のまなざしを (2020)

2021年11月12日公開 102分

愛のまなざしを
(C) Love Mooning Film Partners
くれい響

仲村トオルが、静かに狂っていく

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

亡き妻の想いを胸に壊れゆく仲村トオル演じる精神科医に、そんな彼を翻弄していく杉野希妃演じる謎の美女。ブッ飛んだサイコなヒロインが巻き起こすサスペンス・タッチの盲目な愛の物語という意味では、間違いなく『UNloved』『接吻』の延長線上にある万田邦敏監督の新作といえる。主人公の男女を隔てていた『接吻』のアクリル板にも繋がるソファーの使い方など、明らかに意図的な演出もあるうえ、独特すぎる不穏な空気感に閉塞感、ユーモアに関しても、万田監督作らしさは健在。とはいえ、国内外で評価の高い前記の2作に比べてしまうと、どうしても脚本の弱さが悔やまれる。

この短評にはネタバレを含んでいます
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