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音が奏でられ始めると、それに聴き入ってしまう

2021年11月25日 平沢 薫 天才ヴァイオリニストと消えた旋律 ★★★★★ ★★★★★

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天才ヴァイオリニストと消えた旋律

 まず、ある天才と彼に魅せられた男の物語である。そして、その天才がなぜ突然姿を消してしまったのかが長い時間の中で解き明かされていく、謎解きミステリでもある。それらがヴァイオリンの響きでつながっていく。その音に浸る映画でもある。
 音楽が物語の重要な要素となる映画は、映画全体の姿が見えてくる以前に、音楽自体の持つ力で観客を魅了してしまうことがあるが、本作もその1作。音楽が奏でられ始めると、それに聴き入ってしまう。本作では、その音が別の場所、別の時間に奏でられて別の物語になり、それらがまた音の中に溶け込んでいき、音が豊かになる。そういう音楽というものの魅力も堪能させてくれる。

平沢 薫

平沢 薫

略歴:映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「SCREEN ONLINE」「Movie Walker」「日経エンタテインメント!」「DVD&動画配信でーた」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」等で執筆。他に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況:デヴィッド・フィンチャー監督が製作総指揮に参加した、「映画という文化 レンズ越しの景色」全6話@Netflixは、脚本家、俳優、映画評論家らが映画について語るエッセイ的な映像作品。各話17分〜23分の手頃な長さで、どの話もいろんなことを連想させる。

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