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浅草キッド (2021):映画短評

浅草キッド (2021)

2021年12月9日公開 123分

浅草キッド

ライター3人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4.3

森 直人

全方位的に「プロの仕事」が詰まった日本発・良質の娯楽映画

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

Netflix配信の浅草青春グラフィティ。とにかくビートたけしを演じる柳楽優弥を見ているだけで幸福な気持ちになる。顔立ちが全然違うのに、芝居と所作の力で「似て見える」そして「泣ける」のが本当に圧巻! 『全裸監督』で村西とおるを演じる山田孝之とはまた異なる位相で、役者の芸と技の凄さを堪能させてくれる。

社会的に下降していく師匠・深見千三郎(大泉洋)の哀愁。ナイツ・土屋伸之のニュートラルな巧さ。劇団ひとり監督によるキャッチーな構成。近過去の再現も過不足なし。ボブ・フォッシー監督&ダスティン・ホフマン主演『レニー・ブルース』(74年)のように、「北野武」しか知らない世界の観客に届いて欲しいと思う。

この短評にはネタバレを含んでいます
村松 健太郎

三位一体

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

日本で一番知られているお笑い芸人のビートたけしであり、映画監督として世界的な巨匠となった北野武。そんな彼がまだ”何者でもない”頃、”タケ”とだけ呼ばれていた時代の物語。そんな彼が、浅草で深見千三郎という生粋の喜劇人と出会ったことで人生が大きく変わっていきます。
監督の劇団ひとりと深見役の大泉洋とは『青天の霹靂』の監督・主演コンビ。これに”タケ”を演じる柳楽優弥が加わり、見事なトライアングルを形成しました。監督の浅草演芸へのリスペクトと、笑いの達人の大泉洋、そして全力で”タケ”を演じた柳楽優弥。この三位一体が見事に機能して、最近の日本映画ではなかなかない喜劇を堪能できました。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

似てないから素直に入り込め、最後は涙を流し続ける人もいるかも

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

柳楽優弥がビートたけしを演じる、やや意外性キャスティングが逆に成功。そっくり度合いに気を取られず、主人公の夢への苦闘にすんなり共感してしまう。劇団ひとりは、レジェンド芸人とその師匠へのリスペクトが全開で、登場人物すべてを愛おしく見つめる。シビアな青春&師弟物語でドヨーンとなりそうで、タップの練習シーンがミュージカルのようだったりと、軽やかなエンタメ的演出で気分を上げるメリハリも◎。
基本は、時代から取り残された者が、別の才能の背中を押す物語なので、師匠側の視点で後半はド感動へなだれ込み、意外なほど素直に感動。
ツービートのような毒舌&ブラックなネタは、もう出会えないかもという一抹の寂しさも。

この短評にはネタバレを含んでいます
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