政治思想が無関係なのは前作同様。人として泣けるのは前作以上

正直、続編の製作には不安もあり、しかも結末はすでに分かっている。できるだけ冷静に観始めると冒頭は確かにゆるやか。監督もできる限り客観性を貫こうとしているが、小川淳也の人としての魅力に抗えなくなっていく視線となる。
中盤からは本能的に心が熱くなり、揺さぶられる描写が相次ぎ、ある人物の一言に涙腺が決壊する人は多数のはず。悪く言えば「あざとい」作りなのだが、それも映画としては巧妙。あざとさも、出てくる人の誠実さが凌駕していく。ユーモアと衝撃を要所で挿入するのも、ドキュメンタリーとしての上級テクで、まったく長さを感じさせない。
そして政治や選挙戦の根本的な何かが狂っていると、改めて思い知らされる。