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香川1区 (2021):映画短評

香川1区 (2021)

2021年12月24日公開 156分

香川1区
(C) ネツゲン

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 5

中山 治美

”一議員のPR映画”と高を括るべからず

中山 治美 評価: ★★★★★ ★★★★★

自民党公認候補のどぶ板選挙を内側から描いた想田和弘監督『選挙』、泡沫候補が出馬する理由に目を向けた藤岡利充監督『立候補』に続き、我々の選挙リテラシーを高めてくれる選挙映画の傑作だ。衆議院選挙の激戦区だった香川一区の立候補者の選挙活動を追っているが、注目すべきは有権者の心理。結果はすでに分かっている。しかしその票はどのように動いたのか。前作『なぜ君は総理大臣になれないのか』の影響、不祥事、地方ならではのしがらみetc…粘り強い取材で地元の方々の本音を聞き出す。候補者は、その一票のために右往左往しているワケで。”一票の重味が分からない”という人は、本作を見るべし。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

政治思想が無関係なのは前作同様。人として泣けるのは前作以上

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

正直、続編の製作には不安もあり、しかも結末はすでに分かっている。できるだけ冷静に観始めると冒頭は確かにゆるやか。監督もできる限り客観性を貫こうとしているが、小川淳也の人としての魅力に抗えなくなっていく視線となる。

中盤からは本能的に心が熱くなり、揺さぶられる描写が相次ぎ、ある人物の一言に涙腺が決壊する人は多数のはず。悪く言えば「あざとい」作りなのだが、それも映画としては巧妙。あざとさも、出てくる人の誠実さが凌駕していく。ユーモアと衝撃を要所で挿入するのも、ドキュメンタリーとしての上級テクで、まったく長さを感じさせない。

そして政治や選挙戦の根本的な何かが狂っていると、改めて思い知らされる。

この短評にはネタバレを含んでいます
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