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行為の残虐さと、音の微かさの対比が鮮やか

2021年12月20日 平沢 薫 ただ悪より救いたまえ ★★★★★ ★★★★★

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ただ悪より救いたまえ

 中心人物2人は暗殺者と殺し屋で、どちらもとにかく大量に人を殺す。本当にその必要があるのかを検討することなく、殺す。しかも無造作に。殺し屋は途中で「なぜそこまで殺し合う?」と問われて「理由は忘れた」と答える。さらに、その殺戮は大きな音を立てない。消音装置を装着した拳銃の銃弾が身体にめり込む時のポシュッ、ポシュッという音も、大型のナイフが身体に突き刺される時のプシュッ、プシュッという音も、ごく小さな音でしかなく、その行為の残虐さと、音の微かさの対比が鮮やか。舞台は日本からタイのバンコクへと移り、湿気と暑さが増していく中、2人の殺人者の殺意だけが冷えていく。この蒸し暑さと冷気の対比も鮮烈。

平沢 薫

平沢 薫

略歴:映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「SCREEN ONLINE」「Movie Walker」「日経エンタテインメント!」「DVD&動画配信でーた」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」等で執筆。他に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況:SFアニメ・アンソロジー『ラブ、デス&ロボット』@Netflix のシーズン3が配信に。今回の裏テーマは黙示録? ティム・ミラー監督『巣』の原作はブルース・スターリング。シーズン1『目撃者』のスペイン出身監督アルベルト・ミエルゴの『彼女の声』のビジュアルも強烈。

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