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ラナ・ウォシャウスキー監督の「私の物語」

2021年12月23日 森 直人 マトリックス レザレクションズ ★★★★★ ★★★★★

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マトリックス レザレクションズ

衝撃を狙わず、愚直なほどの正直さに徹した内容に筆者は好感を持った。ネオことトーマス・アンダーソンが、かつて伝説的なソフト『マトリックス』を発表したゲームデザイナーとの設定からしてパロディックな構造だが、自作の呪縛に苛まれている点など、メタレベルな視座からの監督の自己言及性が全編を覆う。

ティファニーという別名を与えられたトリニティーを巡って『めまい』式展開を見せつつ、「救世主の再定義」との主題に沿って上がってくるのはジェンダー論的な更新だ。それは監督が「本当に語りたかったこと」の20年越しの実現かもしれない。そしてシリーズ恒例、日本アニメのオマージュ大会は『鬼滅の刃 無限列車編』まで伸びた!

森 直人

森 直人

略歴:映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「メンズノンノ」「Numero TOKYO 」などでも定期的に執筆中。※illustrated by トチハラユミ画伯。

近況:YouTubeチャンネル『活弁シネマ倶楽部』でMC担当中。5月11日より、川和田恵真監督(『マイスモールランド』)の回を配信中。ほか、東盛あいか監督(『ばちらぬん』)、長久允監督(『DEATH DAYS』)、松居大悟監督(『ちょっと思い出しただけ』)、舩橋淳監督(『ある職場』)、犬童一心監督(『名付けようのない踊り』)、片山慎三監督(『さがす』)、二宮健監督(『真夜中乙女戦争』)、原一男監督&小林佐智子プロデューサー(『水俣曼荼羅』)、前田聖来監督(『幕が下りたら会いましょう』)、松浦祐也さん&カトウシンスケさん(『ONODA 一万夜を越えて』)、首藤凜監督(『ひらいて』)、大石規湖監督(『fOUL』)、𠮷田恵輔監督(『空白』)、春本雄二郎監督(『由宇子の天秤』)、ウエダアツシ監督(『うみべの女の子』)、沖田修一監督(『子供はわかってあげない』)、内山雄人監督(『パンケーキを毒見する』)等々を配信中。アーカイブ動画は全ていつでも観れます。

サイト: https://morinao.blog.so-net.ne.jp/

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