雪の下には暖かなものが隠されている

すべてを雪に覆われて、その下に本当の姿を潜めている北の町。その風景が、想いを外に出すことなく、しかし失うことなく、ずっと胸の中に秘め続けている女性2人の姿に重なる。そして、積もった雪の下に隠されているものは、こちらの予想とは違う、とても温かいものなのではないかと思わせる。
もう若くない2人が、お互いに離れて暮らしていながら、ただ心の中で愛し続けるのだが、映画はそれを肯定的に描く。2人が自分で選んだ道を歩いているので、周囲もそんな2人を否定しない。愛するということは、結ばれて共に暮らすことが到達点ではなく、こういう形であっても意味があるのではないか、そんなふうにも感じられてくる。