「エイリアンズ」で目覚める彼女の秘密

RADWIMPSにキリンジ、フジロックといった音楽ネタに、京王線沿線と、どうしても『花束みたいな恋をした』と比べがちな5年間のラブストーリー。そこに彼女の“秘密”というギミックがあり、それにより北村匠海演じる主人公の虚しさが倍増。『ボクたちはみんな大人になれなかった』感が醸し出される。今や安定・安心の北村だが、新卒社員を演じると、ときにJTのCMに見えたりするわけで、今回は同期役の井上祐貴がサポート。とはいえ、原作のユルさなのか、いろいろとモヤモヤした部分も残り、前出の2本に遠く及ばず。いつの間にラブストーリーの旗手みたいになった松本花奈監督だが、また奇妙な作品を撮ってほしいところだ。