ただのリベンジ系アクションにあらず

列車事故で最愛の妻を失った軍人。同じ列車に乗り合わせて生き残った数学者。犯罪裁判の重要証人が事故の巻き添えになったことから、これが事故ではなく仕組まれた計画殺人ではないかと疑った彼らは、仲間を集めて犯罪組織への報復を開始する。いわゆるリベンジ系アクションの趣きだが、しかし見終わった後の印象はだいぶ異なる。人はなにか理不尽な目に遭った時、その出来事に何らかの意味を求めて自分を責めたり、誰かを恨んで憂さを晴らそうとしがちだが、しかしそれで本当に悲しみや痛みは癒えるのだろうか?それぞれに深い心の傷を抱えた主人公たちが、その問いに自分なりの答えを見つけていく。思いがけず味わい深い作品だ。