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テロ,ライブ (2013):映画短評

テロ,ライブ (2013)

2014年8月30日公開 98分

テロ,ライブ
(C) 2013 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.

ライター3人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.7

ミルクマン斉藤

この新人監督は“買い”だ!

ミルクマン斉藤 評価: ★★★★★ ★★★★★

舞台をTV局、それも放送中のスタジオに限定しながらも閉塞感なし。PTA『マグノリア』の影響を感じさせるスピーディで流れるようなキャメラ。『フォーン・ブース』的設定も盛りこみつつ、必要な個所ではリアリティ重視で作りこむパニック映画的CGイフェクト。弱者を軽視する韓国政治への大胆な批判。どこか黒沢清ホラーを思わせる、時代の澱みそのものを体現化したような犯人像。なにより自身が強烈なエゴを持ちながら、さらに強大なエゴに駆逐されるキャスター役ハ・ジョンウの、どこかおかしみのある持ち味が効いている(彼の本領はおそらくコメディだろうしな)。とにかくこれが新人監督の作品、韓国映画界恐るべし。

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

政府批判を恐れない監督の骨太な精神が伝わってくる

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

正体不明の爆破テロ犯と高視聴率狙いのTV局、野心むき出しの元ニュースキャスターが繰り広げる三つ巴がまずスリリング。スタジオと窓から見える景色、TVのライブ映像という限られた映像をテンポよくつないで飽きさせない編集テクもお見事! が、重要なのは事件から浮かび上がる韓国社会のひずみだ。物語が進むに連れ明らかになる犯人の絶望感や悔しさには同情を禁じ得ず、翻弄されるメディアや警察が滑稽に感じられるのだ。本当に大事なことは何か? 正義とは? いろいろなことを観客に考えさせる。学歴社会である韓国では一部のエリートが利権を握っているもよう。国民を無視した国策を押し進める政府批判とも受け取れる骨太な意欲作だ。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

緊張もメッセージも強力な、歯応えのあるサスペンス

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 リアルタイム進行、すなわち90分強の出来事を描いた物語。そこで起こる事件は出来過ぎの気もしないでもないが、それでも緊張感は十分に漲っており飽きさせることがない。

 スタジオの窓から見える爆破テロや、スタジオ内での爆殺事件など、ショッキングな描写を織り交ぜた巧い展開。切れ者を演じることの多いハ・ジョンウの焦燥演技の意外性も手伝い、見入ってしまった。

 何より印象的なのは、アメリカン・ニューシネマのような社会派劇の骨太さが。政治とメディアの癒着や報道の誤った姿勢、そして個人のエゴ。目新しい題材ではないにしても、現実的な物語を通してこういうメッセージを突き付けられるとハッとさせられる。

この短評にはネタバレを含んでいます
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