あえて進化させない、という大胆な試み

あえて進化させない。それが製作者トム・クルーズのコンセプトなのではないか。1986年の映画の続編を、36年後の今、当時と同じ世界観で描く。夕陽の中を走るオートバイ、海辺で興じる球技など、シーンも映像のタッチも『トップガン』を連想させるものが続々。ストーリー展開も、きっとここでこうなるだろうと思うとその通りになる、当時のハリウッド映画の王道パターン。本作は、そのようにして『トップガン』の輝きを甦らせようとする大胆な試みに見える。製作陣がその難関に立ち向かう姿勢が、本編のドラマに重なっても見える。そして、彼らの決意の強さと大胆さもまた、『トップガン』が持っていものだったことに気づかされる。