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表現の場末に、私たちは確かに居たのだ。

2022年5月17日 森 直人 辻占恋慕 ★★★★★ ★★★★★

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辻占恋慕

堂々巡りの地獄を彷徨うミュージシャンとマネージャー。まるで『嗚呼!おんなたち・猥歌』の内田裕也と安岡力也の様な夢追い人ふたり。30歳で出会った女と男。監督いわく、テーマは「青春の終焉」。2018年(平成30年)から始まった「夢の終わり、の始まり」はコロナ禍の令和まで延長されていく。

監督・脚本・出演をこなす異能の才人、大野大輔としても出色の出来。『ウルフなシッシー』のシニカルな笑いを超えた哀切が身に染みる。共同脚本を務めた『幕が下りたら会いましょう』(監督:前田聖来)とも主題を共振させつつ、主演の早織と大野が(時に正視できぬほど)素晴らしい。やたら生々しい「一回性の生」が強烈に刻まれている。

森 直人

森 直人

略歴:映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「メンズノンノ」「Numero TOKYO 」などでも定期的に執筆中。※illustrated by トチハラユミ画伯。

近況:YouTubeチャンネル『活弁シネマ倶楽部』でMC担当中。6月26日より、小林啓一監督(『恋は光』)の回を配信中、ほか、大野大輔監督(『辻占恋慕』)、佐向大監督(『夜を走る』)、川和田恵真監督(『マイスモールランド』)、東盛あいか監督(『ばちらぬん』)、長久允監督(『DEATH DAYS』)、松居大悟監督(『ちょっと思い出しただけ』)、舩橋淳監督(『ある職場』)、犬童一心監督(『名付けようのない踊り』)、片山慎三監督(『さがす』)、二宮健監督(『真夜中乙女戦争』)等々を配信中。アーカイブ動画は全ていつでも観れます。

サイト: https://morinao.blog.so-net.ne.jp/

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