ふとした言葉が詩人であることを感じさせる

サブタイトル通りの人物像が描き出されて、ドキュメンタリーというよりどこか神話的物語の趣き。現在のシェインの語りは少々呂律が怪しいのに、ふとした言葉がこの人物が詩人であることを感じさせる。シェイン本人だけでなく、父母や妹の発言も率直で、この一家のドラマを垣間見る思い。古くから交流があるジョニー・デップが聞き手の一人として登場、彼がこういう人物に惹かれることが痛感されて、本作の製作への参加も納得。あの時代の空気が映し出されるのは、本作の監督、1979年の『セックス・ピストルズ/グレート・ロックンロール・スウィンドル』のジュリアン・テンプルも、シェイン同様、そのまっただ中にいたからだろう。