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気高い精神が染み入る“老成した黒澤映画”こそ小泉映画の真髄

2014年10月3日 清水 節 蜩ノ記(ひぐらしのき) ★★★★★ ★★★★★

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蜩ノ記(ひぐらしのき)

 思わず居住まいを正してしまう。残された時間の身の処し方という『生きる』の命題。人間性を学ぶ絆としての『赤ひげ』の荘厳。だが物事の白黒が明解だった師・黒澤明とは異なり、水墨画のような味わいだ。強烈な邪心が物語を動かすのではない。狡猾で卑屈な権力者の面子のために迫害を受け、生き様が試される。物心両面から過去の日本人ににじり寄り、所作や武士道を気高く描いていく。"鞘に収まった刀"としての風格と品性を研ぎ澄ましてきた小泉堯史の作品は、決して愛や涙の押し売りなどしない。黒澤明が撮れなかった“老成した黒澤映画”こそ小泉映画の真髄。これは、忘れられた高邁な精神が染み入る純度高き美しい映像詩である。

清水 節

清水 節

略歴:映画評論家/クリエイティブディレクター●ニッポン放送「八木亜希子LOVE&MELODY」出演●映画.com、シネマトゥデイ、FLIX●「PREMIERE」「STARLOG」等で執筆・執筆、「Dramatic!」編集長、海外TVシリーズ「GALACTICA/ギャラクティカ」DVD企画制作●著書: 「いつかギラギラする日 角川春樹の映画革命」「新潮新書 スター・ウォーズ学」●映像制作: WOWOW「ノンフィクションW 撮影監督ハリー三村のヒロシマ」企画・構成・取材で国際エミー賞(芸術番組部門)、ギャラクシー賞(奨励賞)、民放連最優秀賞(テレビ教養番組部門)受賞

近況:●「シン・ウルトラマン」劇場パンフ執筆●ほぼ日の學校「ほぼ初めての人のためのウルトラマン学」講師●「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」劇場パンフ取材執筆●特別版プログラム「るろうに剣心 X EDITION」取材執筆●「ULTRAMAN ARCHIVES」クリエイティブディレクター●「TSUBURAYA IMAGINATION」編集執筆

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