ADVERTISEMENT

音楽の不器用っぽさもまた黒澤譲り(笑)。

2014年10月18日 ミルクマン斉藤 蜩ノ記(ひぐらしのき) ★★★★★ ★★★★★

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
蜩ノ記(ひぐらしのき)

障子が開け放たれたまま右筆たちが並ぶ広間、その前面に降りしきる雨。寺の山門を正面から捉える矩形の構図。ぴしっとした空気を醸し出す端正な画面、デジタル変換されてはいてもはっきり判る35mm撮影に小泉尭史の帰還を強く思う。こんなにも公明正大を貫きつつ嫌味にならない彼のような作家は日本映画界にひとりくらい居ていい。チャンバラがないこの時代劇のクライマックスが、少年ふたりの交流とそこから派生する“敵討ち”だというのにもまた粛然とさせられるじゃないか。しかし演技者として出色なのは“いわば悪役”を演じる串田和美。悪い奴ではないのだが、のらりくらりと権力にくっついてのし上がった信頼のおけなさが絶妙。

ミルクマン斉藤

ミルクマン斉藤

略歴:映画評論家。1963年京都生まれ。デザイン集団「groovisions」の、唯一デザインしないメンバー。現在、京都・東洞院蛸薬師下ルの「三三屋」でほぼ月イチ・トークライヴ「ミルクマン斉藤のすごい映画めんどくさい映画」を開催中。雑誌「テレビブロス」「ミーツ・リージョナル」「キネマ旬報」等で映画コラムを連載中。

近況:

ミルクマン斉藤さんの最近の映画短評

もっと見る

ADVERTISEMENT