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グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札 (2013):映画短評

グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札 (2013)

2014年10月18日公開 103分

グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札
(C) 2014 STONE ANGELS SAS

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3

中山 治美

物語そっちのけでアレが気になっちゃって…

中山 治美 評価: ★★★★★ ★★★★★

 モナコに嫁いだグレース・ケリーの波瀾万丈劇として見ると昼ドラ調で陳腐さが漂う。だがモナコの、知られざる歴史に焦点を絞ってみればかなり興味深い作品である。アルジェリア戦争の裏で繰り広げられていた大国の小国いじめ。空港の名前にもなっている当時の仏大統領シャルル・ド・ゴールが嫌な奴に描かれ、公室よりむしろド・ゴール遺族が本作に文句を言っていいじゃないかと思うほどだ。
 だが、見応えある政治の駆け引きを邪魔するのが肝心の主演女優なのだ。顔のお直しが取り沙汰されているのにも関わらず、アップが多いものだから余計に気になる。不自然な美は、作品に弊害を及ぼすことを実証した貴重な作品とも言えるだろう。
 

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

生まれながらの気品は演技だけでは再現できない!?

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 ニコール・キッドマンの容姿がグレース・ケリーに似ていないのは勿論、グレースを永遠のスターたらしめた生来の気品が欠如しているため、ただ気の強い成り上がり女にしか見えないのは厳しい。
 加えて、王室の堅苦しい習慣に馴染めないグレースが公妃としての役割を自覚していく成長秘話と、モナコ公国の存亡を揺るがす危機を彼女が救う政治サスペンス、この2本柱が本来なら相乗効果を発揮するところ、掘り下げが足りないため焦点の定まらない中途半端な映画になってしまった。
 「エディット・ピアフ」での手腕を買われたであろうオリヴィエ・ダアン監督だが、残念ながら本作では精彩を欠いている。衣装やセットは豪華だけれど。

この短評にはネタバレを含んでいます
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