シネマトゥデイ

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R60/熟年夫婦の回春騒動記

  • 31年目の夫婦げんか
    ★★★★★

     題名に釣られ、倦怠期の中高年夫婦が解決策を求めて劇場に足を運べば、ますます気まずい空気が漂い始めるに違いない。原題は「HOPE SPRINGS」。希望が湧き出る? いや、SPRINGには「精力」「活力」「跳ねる」「そびえ立つ」という意があることを知っていれば、この映画の実態が『R60/おしどり熟年夫婦の回春騒動記』であることは自ずと分かるはずだ。
     
     日本なら、夫にバイアグラかシアリスかラビトラあたりを処方するかもしれないが、妻メリル・ストリープは夫トミー・リー・ジョーンズを連れて高額のセラピストを訪ねる。しかもそのセックスレス解消指南役は、スティーヴ・カレル。互いが心に秘めてきたことを言葉にし合うわけだ。2人のオスカー老優が妄想を口にして、さらに、あんな痴態こんな行為の実践に及ぶ…。『奇人たちの晩餐会』で映画館デートの最中、ストリープが勇気を出して挑むある行動へのジョーンズのリアクションに、失笑は冷笑に変わった。

     キテレツな方向へ突き抜ければカルト化したかもしれないが、品行方正に“結婚し直す”大団円へともっていく、あくまでもハリウッド調人生讃歌のコミカル・ファンタジーである。

⇒映画短評の見方

清水 節

清水 節

略歴: 映画評論家・クリエイティブディレクター●映画.com、シネマトゥデイ、FLIX、ニッポン放送●「PREMIERE」「STARLOG」等で執筆・執筆、「Dramatic!」編集長、海外TVシリーズ「GALACTICA/ギャラクティカ」DVD企画制作●著書に「いつかギラギラする日 角川春樹の映画革命」「新潮新書 スター・ウォーズ学」●WOWOW「ノンフィクションW 撮影監督ハリー三村のヒロシマ」企画・構成・取材で国際エミー賞、ギャラクシー賞、民放連最優秀賞 受賞

近況: ●「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」劇場パンフ寄稿●「ULTRAMAN ARCHIVES」企画構成取材●「シド・ミード展」未来会議ブレーン、図録寄稿●ニッポン放送「八木亜希子LOVE&MELODY」

サイト: http://eiga.com/extra/shimizu/

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