キャラ勝ちの一本。デンゼルかっこよすぎ!

これは「デンゼル・ワシントンの完成形」ではないか? 知的で穏やかな正義漢、実は高性能な殺人のプロ――という設定はハマリ役というよりセルフイメージの昇華だろう。監督のA・フークアは『トレーニング デイ』でデンゼルに悪役&オスカーをもたらした人だが、今度はその裏返しで正調キャラを極めた。
映画の構造は私刑執行系=ヴィジランテ・ムービーの一種だが、クールな美学が強く、ファイトシーンはマーシャル・アーツの戦闘術を頭脳的に応用したもの。定型を巧みに改造しつつ、ストレートに楽しめる機能的な活劇に仕立てた職人技にも痺れる!
まさにありそうでなかった傑作。任侠映画の高倉健並に憧れてしまうヒーローは久々だ!