ジャンルミックスの醍醐味を堪能できる一本

複数のジャンルを巧みにクロスオーバーさせながら、ありがちな設定を全く思いがけない方向へと導いていく。前作「サプライズ」が文字通りのサプライズ・ヒットとなったアダム・ウィンガード監督の最新作は、そんな彼の得意技が再び冴える。
偽りの仮面を被った招かれざる客が、長男を失った家族の心の隙間に付け入り、やがて恐るべき本性を現す。サイコ・ホラーに謀略サスペンス、肉弾アクションと、様々な要素の詰まった展開は一粒で何度も美味しい。
往年のB級映画、中でもスラッシャー映画からの影響は濃厚。「ハロウィン」や「プロム・ナイト」、「ファンハウス」など、元ネタであろう作品を想像しながら楽しむのもまた一興だ。