“逃亡者”宮沢りえのシャープなキャラに見惚れる

過去に囚われ、仕事に囚われ、家庭に囚われるヒロインだから、逃げようとするのは必然的だった。そんな逃亡者としてのドラマに見応えがある。
逃げるというと後ろ向きのイメージがあるし、横領という行為自体も犯罪なので悪いイメージがつきまとう。しかし一方で、“囚われ”から解き放たれた自由な人間性が光っているのも事実。反対側に突き抜けた者の清々しさや切なさが、何とも眩しい。
何よりスゴいのは主演の宮沢りえだ。疲れた中年女性でもあるが、妖婦にもなる。笑顔を見せはするが、目だけは笑っていない。逃亡者のスキのなさが、そこにしっかり表われていた。