南相馬版『ニュー・シネマ・パラダイス』

2014年11月19日 中山 治美 ASAHIZA 人間は、どこへ行く ★★★★★ ★★★★★

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ASAHIZA 人間は、どこへ行く

 南相馬と聞くと身構える人もいるかもしれない。だが本作を見れば同じ営みをし、同じ映画を愛する人達に親近感を覚えずにはいられない。本作は、`91年に映画常設館としての幕を閉じた朝日座の思い出を記録したもの。震災報道などではまず見られない皆の笑顔が弾ける。
 デートで活用したとか、アンゲロプロス観たさに遠方から来た客とか。こちらの郷愁までかき立てられるようだ。映画という娯楽がいかに人々の生活に潤いを与えてきたかを、彼らの表情がすべてを物語っている。そして映画館が地域コミュニティの場として、いかに根付いていたかも。
 地方の単館系劇場が休館に追い込まれている昨今、その重要性を静かに訴える秀作である。

中山 治美

中山 治美

略歴:茨城県出身。スポーツ紙記者を経てフリーの映画ジャーナリストに。日本映画navi、全国商工新聞、スカイパーフェクトTV(ぴあ)、BANGER!、朝日新聞webサイトおしごとはくぶつかん情報館内で「おしごと映画」を執筆中。いつの間にやら映画祭を回るのがライフワークとなっている。お気に入りはオランダ・ロッテルダム国際映画祭とスペインのサンセバスチャン国際映画祭。

近況:本サイトで「映画で何ができるのか?」と「ぐるっと!世界の映画祭」を連載中。また、編集に携わった塚本晋也監督・著「『野火』全記録」(洋泉社)、DVDマガジン「石原裕次郎シアター」(朝日新聞社)が発売中デス。ライフワークの旅の記録をまとめたブログはこちら。https://tabisutekaisyu.amebaownd.com

サイト: https://www.oshihaku.jp/series/00007

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