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96時間/レクイエム (2014):映画短評

96時間/レクイエム (2014)

2015年1月9日公開 109分

96時間/レクイエム
(C) 2014 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.

ライター6人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 2.8

ミルクマン斉藤

リーアム父さん、豪快!…というより雑!

ミルクマン斉藤 評価: ★★★★★ ★★★★★

前2作で男衆を皆殺しにされたアルバニア犯罪村の未亡人軍団がいよいよ今度の敵か?と期待していたがまったくの的外れ(笑)。豪快なプロットとリーアムの超人的な強さが爽快なこのシリーズだが、三作目に至りTaken≒誘拐もなく、渡欧もなく、アルバニアも関係なく(元スペツナズのロシアン・マフィアは出てくるが、情けない白ブリーフ姿含め不甲斐ない)、かなりスケール感が萎んで展開の雑さだけが目立つことに。「逃亡者」となるリーアム父さんも推理する前に身体が動いてしまってる感じ。いい大人なんだからさぁ、もうちょっと考えて行動しようよ。ベッソン的には『LUCY』に続いて警察があまりにデクノボウ。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

改メ『リーアム・ニーソン/逃亡者』

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

すでに前作から、96時間とは無縁のシリーズ最終章。さらに、今回は海外で元妻や愛娘を奪還する、おなじみのコンセプトまで消え去っていることから、二日酔いにならない『ハングオーバー!!!最後の反省会』ばりに気の抜けた炭酸感が強い。真犯人の動機などのスケールの小ささや、飲むヨーグルトなどの伏線の弱さが目立つ。それに、わざわざフラッシュバックで語られる最恐の男が、白シャツ&ブリーフ姿というトホホ感もアリ。とはいえ、リーアム・ニーソン最新作と開き直れば、及第点。アクションで観客を飽きさせないサービス精神や、執拗な追跡を続ける警部との駆け引きなど、『逃亡者』と同じでも腹が立たない…はず。

この短評にはネタバレを含んでいます
清水 節

活劇的な魅力は減退したものの「暴走する父性愛」がそそり立つ

清水 節 評価: ★★★★★ ★★★★★

 元ジェダイマスターならぬ元秘密工作員が、家族に起こった災難を、明晰な分析能力と果敢な行動力で解決し、カタルシスを与えるシリーズ、まさかの3作目。カーチェイスに力を注いだが、活劇としては精彩を欠き、何よりプロットが読めすぎてしまう。しかし牽引力は、リーアム・ニーソンと娘役マギー・グレイスの関係性の魅力だ。今回は妻に不幸が起きるため、父娘関係がより前面に押し出され、製作・脚本リュック・ベッソンの特質がより顕在化。彼の代表作『レオン』が「凶暴な純愛」なら、このシリーズの最大の眼目は、「暴走する父性愛」と銘打つべきだろう。

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山縣みどり

悪人を容赦しない姿勢にブレなし! 快感!

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

リーアム・ニーソンがまたもや元CIAエージェントを演じるが、疲れも衰えも一切なし! 美魔女どころではない奇跡の還暦男なり! 主人公ブライアンは今回、自身にかけられた殺人容疑を晴らすために旧友チームや娘も総動員で戦う。元スペツナズの殺し屋はじめ悪人を容赦なく殺していくブライアンの姿勢にブレはなく、シリーズの真髄ってこれだよなと三たび実感。フォレスト・ウィッテカー演じるFBI捜査官が敏腕そうで実は役立たずとか、ブライアンの元妻の夫がザンダー・バークレーからダグレイ・スコットに変わったことで結末まで見通せるなどの欠点はあるものの、シリーズへの偏愛は止まず。いわゆる私のギルティ・プレジャー映画です。

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相馬 学

良くも悪くも派手さ倍増

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 アクションに関していえば、前2作以上の迫力を感じさせることは間違いない。とりわけカー・アクションの点は壮絶。坂道&カーブを減速なしで駆け抜け、しまいには離陸寸前の飛行機に突っ込んでいくのだから主人公の暴走ぶりは豪快という他ない。

 ドラマにも主人公ブライアンの愛娘に子どもができた…という波乱のエピソードがある。あの頑固オヤジが、この現実をどう受け止めるのかという点もスリリングだ。

 とはいえ、一方ではシリーズのヘビーなファンをどこまで満足させられるのかという不安もある。主人公の迷いのない行動の気持ち良さや、彼のスキルの広がりといった前作までの妙味が損なわれているのが、いささか寂しい。

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なかざわひでゆき

最強の父親が今度は最強の逃亡者に

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 元妻を殺した容疑で警察に追われる身となったブライアンが、真犯人を探し出し愛娘キムを守るために奔走するシリーズ第3弾。
 基本設定は完全に「逃亡者」。ただし、リチャード・ギンブルと違ってこちらは元CIA工作員なので、逃走も追跡も反撃も生半可じゃあない。しかも、今回はブライアンのゴルフ仲間三人衆が強力にバックアップ。頼れるオッサンたちの活躍も楽しい。
 一方、追う側の担当刑事がやけにソフトなので逃亡劇のスリルは弱いし、前2作に比べるとバイオレンス描写もかなりマイルド。シリーズ中では最もインパクトの薄い作品かもしれないが、肩の力を抜いた娯楽アクションとしてはまずまずといったところだ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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