シネマトゥデイ

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名タッグの新宿史観が光るグランド・ラブホテル群像劇

  • さよなら歌舞伎町
    ★★★★

    寺島しのぶ主演で傑作『ヴァイブレータ』『やわらかい生活』を撮った廣木隆一(監督)×荒井晴彦(脚本)の名タッグ。今回はメインを染谷将太×前田敦子に据え、青春群像劇に近い瑞々しさ。同棲中のアパートの場面で始める処など荒井のデビュー作『新宿乱れ街 いくまで待って』(77年)と重なったが、本作の試みは新宿というトポスの中でロマンポルノと現在の空気を緩やかに結ぶ事にあるのではないか。

    あっちゃんが下田逸郎の曲を弾き語りするなど、ベテランと若手のコラボの妙味が基調だが、肝となる美点は街を見つめる視点自体に歴史の層が宿っているところ。また震災の影は、廣木の『RIVER』から繋がる事も忘れてはいけない。

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森 直人

森 直人

略歴: 映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「TV Bros.」「メンズノンノ」「Numero TOKYO (Web)」「映画秘宝」などでも定期的に執筆中。※illustrated by トチハラユミ画伯。

近況: YouTube配信番組『活弁シネマ倶楽部』でMC担当中。5月31日より、工藤梨穂監督(『オーファンズ・ブルース』)の回を配信中。ほか、映画ジャーナリストの徐昊辰さん(『キングダム』討論)、三宅唱監督(『ワイルドツアー』)、佐向大監督(『教誨師』)、片山慎三監督×松浦祐也さん×和田光沙さん(『岬の兄妹』チーム)、二宮健監督(『チワワちゃん』『疑惑とダンス』)、広瀬奈々子監督(『夜明け』)、緒方貴臣監督(『飢えたライオン』)、関根光才監督(『太陽の塔』『生きてるだけで、愛。』)等々を配信中。アーカイブ動画は全ていつでも観れます。

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