カサヴェテス愛娘の処女作は'70年代風の耽美系ホラー

2015年1月24日 なかざわひでゆき 美しき獣 ★★★★★ ★★★★★

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
美しき獣

 故ジョン・カサヴェテスの長女である女流監督ザンの長編処女作は、まるで’70年代のジャン・ローランやハリー・クーメルを彷彿とさせる官能的な耽美系ヴァンパイア映画。
 ストーリーは殆どあってないようなもの。ビクトリア王朝風の豪邸に身を寄せる美しき女吸血鬼とイケメン映画脚本家の愛欲関係を軸に、闇の世界に生きる者の漠然とした虚無感や哀しみが淡々と描かれる。自然光や人工照明を巧みに使い分けた映像のスタイリッシュな艶めかしさが魅力だ。
 モリコーネやガスリーニを連想させる華麗な音楽スコアを含め、往年のヨーロピアン・ホラーへのオマージュが詰まった秀作。こういう映画を待っていた筆者としては素直に嬉しい。

なかざわひでゆき

なかざわひでゆき

略歴:日本大学芸術学部映画学科卒、同学部大学院卒。映画・海外ドラマのライターとして、TVガイド誌やオンライン情報サイトなどを中心に幅広く執筆活動中。雑誌「スカパー!TVガイドBS+CS」(東京ニュース通信社刊)で15年続くコラム“映画女優LOVE”をはじめ各テレビガイド誌で特集記事やコラムを執筆。著書は「ホラー映画クロニクル」(扶桑社刊)、「アメリカンTVドラマ50年」(共同通信社刊)など。また、数多くの来日スターにインタビューしており、ハリウッドのスタジオや撮影現場へも毎年コンスタントに足を運んで取材をしている。特に海外ドラマの現地取材は本人も数え切れないほど(笑)。旧ソ連のモスクワ育ち。

近況:新しく映画ブログ始めました。よければチェックしてみてください♫なかざわひでゆきの毎日が映画三昧→http://eiga3mai.exblog.jp/

サイト: http://eiga3mai.exblog.jp/

なかざわひでゆきさんの最近の映画短評

もっと見る

[PR]