肉食系人種の壮絶な駆け引きが面白い政治的ドラマ

米プロ・アメフト球団のドラフト会議の駆け引きを描いた話と聞き、政治的な内容を想像したが、これがとんでもなくエキサイティングなエンタテインメント。
ドラフト開始の12時間前から始まる物語はGMらの電話での駆け引きが激しく行き交う。おまけに、ケビン・コスナーふんする主人公のGMは家庭の問題も抱えており、落ち着く間がない。仕事とプライベートのそれぞれのドラマが噛み合ってスリルが生まれる、凝った作りに唸る。
主人公の強引な独裁者ぶりや、有望な選手が簡単にトレードされる現実など、制度の非情さが押し出している点にも緊張が宿り、ポイントは高い。アメフト描写はないが、これはワイルドな肉食系ドラマだ。